12/7の市場雑感

MDRさん
MDRさん
先週の日経平均は若干ですがトータルで上昇し、直近の高値を抜く場面が見られました。このまま大きく抜けられれば良いのですが、短・中期的には一旦調整が起こってもおかしくない高値の水準となっています。今後さらに株価は上昇するという見通しを持っていて、長期的な投資を行うつもりであり、かつ一度大きく下げてもその時に恐怖で損切りをすることはない、というタイプの投資家であれば買っても良いかもしれませんが、短期~中期のトレードで相場に望んでいるトレーダーや、下落に耐える自信のない方には今のタイミングで買うことはお勧めできません。毎週同じことを書いていますが、実際に私たちのシステムは買いのサインを出していませんし、仮に裁量トレードであったとしても今の相場状況ではその後の下落が怖くて買うことができません。逆を言えば、今のような危険なタイミングで買わなくても十分に大きな利益を出すことは可能です。損失を出さないために買わない、ということも重要な戦略と考えられるかどうかが長期的に株式市場で生き残れるかどうかの分かれ目でもあります。
さて、先週末にはアメリカで雇用統計の発表があり、ADRの数値に反して市場予想を割り込みました。サブプライム以降のアメリカでは長期の雇用不振に陥っており、昨年一旦底を打って回復傾向が出たものの、復調は長続きせずに悪いままの状況がここ一年ほど続いています。いずれにせよ雇用が回復しないことには本格的な経済の復活はあり得ませんので、今後すぐにアメリカの経済が回復するということはなさそうです。
これを受けてFRBは追加緩和について完全に否定はしないという態度を取りました。現在すでに緩和に次ぐ緩和で過剰流動性相場となっており、市場には資金があふれています。確かに追加で緩和を行えば一時的に株式市場は活況となりますが、実際の景気回復に伴う株価上昇ではないため、早々にファンダメンタルズが見直されて落ち着くこととなるでしょう。ここしばらくの(緩和続きの)FRBの対応を受けて、為替は追加緩和を前提に円安の動きが出ていますが、状況が状況だけに実際に緩和をするかどうかについてはFRBの出方を待つ必要があります。
今週は金曜日にメジャーSQが控えています。目立って大きな指標の発表はありませんが、SQのある週は様子見の傾向が強くなります。先週も先々週も方向感に欠ける展開でしたが今週もあまり大きな株価の変動はなさそうです。
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