こんな風に思います。役者は、私生活を厳しくする。自己に厳しく、節制を励行する。時間があれば、稽古に励む。それが、役者が役者であるための条件である。
人の陥りやすい事は、少し調子が良いと、自分は他人より違う、特別な選ばれた人であるとか、自分の能力は、他とは違う特別な才能が有るとか、変な、間違った自尊心を持ってしまう。
そうでは無いのである。常に稽古をし、その過程で悩み、苦しみ、思考錯誤の結果出てくるものが、その人の芸なのである。それが、芸術とか技術と呼ばれているものである。そのためには、10年、20年と費やす時間が必要なのである。
若い役者が、夜遅くまで酒を飲んで騒いでいて、そんな暇があったら、稽古をするとか、早寝早起きの習慣でもつけ、自身の健康管理をきちんとしなさいと言いたい。
最近話題になっている、役者まがいの芸など、請われても行く気になれない。比叡山に行き、5年くらい修行しなさいと言いたい。