ユリウスさんのブログ
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オバマ大統領のミスと菅政権のミス -アジア情勢が緊迫
うんと視野を広げた議論です。
オバマ大統領のアジア政策のうちで一番大きな過ちは、北朝鮮の核問題の懸念を軽視し、結果として北朝鮮を実質的な核保有国にしてしまったことである。前政権から北の核開発の懸念は引き継いでいたはずなのに、その問題を放置していた。その間、北はひたすらプルトニウムの生産を急ぎ、遠心分離機によるプルトニウムの抽出を独自技術でやれるまでになっていた。これ以上核保有国を増やさないという「核不拡散」の意志はオバマ政権ではやや弱かったことは確かだと思う。前政権時代に、イラクの核疑惑情報操作によって、米国がイラク戦争をはじめてしまったことに対する米国民のブッシュ政権への怒りもそれを助長した。
北の通常兵器ならば、韓国でもわが国でも対等以上の兵力を十分持っているから、北の暴発に何とか対応可能だけれども、北が核を持ってしまった今、これらの戦略はかなりむなしいものになった。究極的に核に対しては核でしか抑止力にならないのだから。
この問題の解決に中国を過大評価したり、頼りにし過ぎる議論は甘いことを国民は十分肝に銘じ、菅政権の外交を注視していかねばなりません。
※遠心分離器:天然ウランに1%未満しか含まれない核分裂性のウラン235の割合を高めるための装置。円筒構造の本体を高速回転させ、その中に化学反応で気体にした天然ウランを導く。天然ウランの大半を占めるウラン238は、比重がウラン235より重いため、遠心力の働きで外側に押し出され、円筒中央部でウラン235が濃縮される。
数千の遠心分離器を連結し、中央部分にたまったウランを次の円筒に導く工程を繰り返せば、ウラン235の割合を爆弾の材料に使える90%以上まで濃縮できる。超高速で回転する円筒の製造には、負荷に耐える強度の高い素材と精巧な加工技術を求められる。
一方わが国の民主党政権はアジアの軍事的情勢をどのように把握し、国民の命と財産を守ろうとしているのか?
まず、基本戦略がないのが致命的だ。なぜないのか? 民主党の中が意見がバラバラで意思統一されてないからだ。だから、国家ビジョンが描けない。いまだに党の綱領すら議論してまとめることができていない党なんだから言ってしまってはいけない。そんな党に日本の国の舵取りをまかせているのだから。
外交面では、当面の敵国が誰かという認識も持たずに、普天間問題を契機にアメリカとの関係を損なう愚を民主党は犯してしまった。これは周辺の敵対国にチャンスをあたえたことに等しい愚行であった。
北朝鮮の核開発・核保有、北の韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃、中国の尖閣諸島問題、ロシアとの北方領土問題、これらはオバマ政権と菅政権の失敗の上に出来(シュッタイ)した事案であると思う。パワーバランスが崩れた。抑止力がまずます効かなくなってきて、アジアは極めて深刻で危険な状態にある。
外交のみならず、内政でも国会運営でも、菅政権は末期症状を呈しはじめた。この政権では何をやってもうまくいかないことがこれからも色々でてくるだろう。解散は近い。解散前に新しい党をつくる動きが加速することを期待している。それしか、わが国のこの難局に対応できる道はない。
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