10/19の市場雑感

MDRさん
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先週は為替に振り回された一週間でしたが、今週も円の先高観は払拭されておらず、しばらくは為替の動向に注意を払う必要がありそうです。

特に、今回はただの円高ではなく、対アメリカドルでの円高であり、対ユーロのレートや、アメリカドルと他の通貨のレートを見てみるとむしろ「ドル安」といえる状況であるということには留意しておく必要があるでしょう。確かに日本企業の輸出先としてアメリカは大きな存在ですが、ユーロ圏も間違いなく大きな市場です。これに気付いた株式市場が株価を回復するシナリオもありうるかも知れません。もちろん楽観していいと言っているのではありません。ただの円高ではない以上何が起こるかは誰にもわからないのです。
少し脱線しますが、ここのところの経済ニュースに詳しい方は中国の為替操作、日本の介入に対するアメリカの反応、ドル安状況に対するユーロ圏での動向と、一様に自国の為替を安くする方向への動きとそれに対する牽制についての話題ばかりであることにお気づきかと思います。自国の通貨安は輸出産業、観光産業にとって計り知れないメリットがあることはご存じのとおりです。それに加えて、世界の経済が低迷している状況、また高齢化によって内需が縮小しつつある先進諸国にとってそれはより大きな、「自国外からの金銭の獲得」という意味を持ちます。このため、今や自国の通貨安誘導というのは国家戦略といってもいいレベルのものになっています。どこかのワイドショーが「為替戦争」なんていう言葉を使っていましたが、まさに通貨レートは各国の思惑が渦巻く争いの場になっているといえるでしょう。
さて、今週は今日の夜にアメリカで住宅着工件数の発表があります。サブプライム問題以降信用力の低い層の住宅購入は低迷を続けており、この指標はその後の動向を観察するうえで見逃すことができない重要なものです。明日には日本で景気先行CI指数の発表があります。明後日には、これも特にドル安の今後を占うのに重要なアメリカの新規失業保険申請件数の発表があります。
国内の株式市場は日経平均構成銘柄に資金が集まり、一見株価は上昇に向かっているように見えます。しかし全体的にみると多くの銘柄は下落しているという状況になっており、市場の下落銘柄数に反応する私たちのシステムは先週5銘柄の買いサインを出しました。うち2銘柄はすでに利益を確定しましたが、残りの3銘柄は含み損の状態となっています。セオリー通り下がった株価が回復するのか、それともこれからやってくるであろう日経平均構成銘柄の下落につられてさらに下落するのか。今回のような今までにない局面は今後のシステム製作の糧となるため、注視していきたいと思っています。
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