今日は日経平均株価の見通しを大きく外してしまいました。想定よりもはるかに強い展開で推移しました。果たして、この強い動きがどこまで続くのか?ドル円の動きに高い連動性を見せる日米株価乖離から考えてみたいと思います。
まず今日の日経平均株価の動きから。
47円高で寄り付いた日経平均株価は、50円余りの狭い値幅の中での上下を繰り返して、30.94円、0.31%高で終えています。寄り付きから16円ほど下げての大引けでしたが、強力な下支えのある堅調な展開という印象です。
寄り付きは、CMEの日経先物価格(円ベース)9,805円をメドにしていたのですが、実際は9,878円。米国で大引け後に決算発表をしたシスコの急落の影響を懸念していたのですが、マーケットは完全に無視したように見えます。
マーケット開始前に発表された9月の機械受注がコンセンサスを下回った影響も非常に限定的でした。ドル円が82円台で安定的に推移した安心感もあって、輸出関連株の堅調さが目立ちました。
小動きであったザラバを、「上値が重い」とみるか「下値が堅い」と見るか難しいところですが、現在の株価水準を、ドル円の動きと、それに強く連動する日米株価乖離から考えてみたいと思います。次の図をご覧ください。
ドル円の動きと日米株価乖離の連動性の高さが鮮明です。直近の日本(日経平均株価)の上昇をよく見ると、2つの部分に分解できるようです。
一つは、日米株価乖離がドル円に追い付く動き。もう一つはドル円が円安に動いたことに連動する上昇です。
日米株価乖離は、日経平均株価からダウ平均株価を差し引いたものですから、上記の動きは日経平均株価の上昇を意味することになります。
グラフから明確なように、日米株価乖離がドル円に追い付く動きはほぼ終了したように見えます。
ただし、円安の動きが急でしたから、日米株価乖離にはあと僅かな上昇余地が残されているようです。
もしドル円が82.20円の近辺にとどまり、ダウ平均株価が小動きにとどまるのであれば、日経平均株価にはあと70円程度の上昇余地があると見ています。
図を見ると分かりますが、今の状況は10月11日の状況に似ています。その時の日米株価乖離がー1421。現在が-1495。したがって、74円の上昇余地と見ます。
もし、円安がさらに大きく進んだり、ダウ平均株価が急騰することがあれば、上昇余地は拡大します。
それでは、70円程度の上昇余地をどう見るのか?わたしは、ドル円の動きに日米株価乖離がほぼ追いついたことを重く見ています。すでに株価の上昇余地は小さく、反落に備える必要があると考えています。
マーケットは、世界中を駆け巡るリスクマネーの一部に支えられているかのような下値の堅さを見せています。別の言い方をすると、突然梯子が消えてなくなることを念頭に置いて、注意深く行動する必要があるということです。
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