米国マーケットを振り返る 11月9日

スケアクロウさん
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ポイント

 米国マーケットは続落しました。必ずしも大きな下げというわけではありませんでしたが、単なる利益確定という以上に気になる要因が見られます。欧州の財政不安再燃が背景にあると推測されるユーロ安ドル高、QE2で金利抑制を目指したFRBの意向に逆行する長期金利の上昇気味な推移などが気になります。このような動きを背景とする円安が今日の日経平均株価を押し上げることになりそうですが、単純に喜ぶわけにもいかないように思われます。

米国マーケットの動向

 前日終値を僅か3.25ドル下回る水準でスタートしたダウ平均株価は、10時近くには一時プラスに転ずるなど、午前中は無難に推移しました。しかし、12時前から調整色が強まり、大引け前には103.65ドルまで下げ幅を拡げました。最後は多少戻して、60.09ドル、0.53%安で終えています。



 調整の背景にあるのは為替。欧州の財政不安に再び注目が集まっているようです。ユーロに対してドル高が急速に進みました。



 バンク・オブ・アメリカが2.62%の急落となりましたが、単なる利益確定の動きだけではなく、マーケットの基調の悪化を反映しているように思われます。



 それを裏付けるように、マーケット心理を示唆するVIX指数は4.32%上昇しています。リスク許容度の低下を示しています。特に午後に入ってからの急上昇が目を引きます。



 VIX指数の上昇はリスクマネーの収縮を意味します。金価格は0.49%上昇したのですが、代表的な産金会社ニューモント・マイニングの株価が3.38%下落していることに注意する必要がありそうです。特に午後の動きに注目です。



 さらに、ドル高はハイテク株にも影を落としています。SOX指数が1.16%下げました。



 このような米国マーケットの展開を見ると、円安による押し上げが期待されり日経平均株価ですが、必ずしも楽観するわけにはいかないようです。



 CMEの日経先物価格(円ベース)の推移を見ると。9780円近くまで上昇した後に、9730円まで下げているのが気になります。したがって、日経平均株価は一時的に9,800円近くまで上昇する局面は十分に考えられるとしても、その後の動きは要注意と考えています。

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