業績に下げ止まりの兆候
<第1類OTC医薬品に注力>
OTC医薬品(市販薬)市場は前年割れの厳しい環境だが同社は第1類(毛髪用剤リアップなど薬剤師の説明を要する薬品)への注力が奏功し比較的堅調だ。長期低落傾向であったリポビタンシリーズも猛暑効果もあって久しぶりに前年同期を上回った。12/3期もコレステロール降下剤などの第1類の新製品が発売される見込みなので緩やかな回復基調と予想する。株価はこの様な状況を映し現水準よりはやや高めの水準へ戻すと予想する。
<11/3期2Q累計は2.5%増収、35.4%営業増益>
11/3期2Q累計(4-9月)は前年同期比2.5%増収、35.4%営業増益となった。増収(+33億円)の内訳はドリンク剤、市販薬などのセルフメディケーション事業(以下SM事業、+38億円)、医薬事業(-5億円)と明暗を分けた。SM事業はリポビタンシリーズ(+9億円)、日本皮膚科学会で高い評価を得た毛髪用剤リアップシリーズ(+10億円)などの寄与が大きかった。医薬事業はゾシン(+20億円)など新製品の抗菌剤が伸長したが薬価改定の影響が大きく全体では減収に終わった。
<PBR1倍程度まで戻す可能性がある>
株価はここ数年ダウントレンドであったが(1)業績に下げ止まりの兆候がある、(2)自社株取得を毎期実施しており今後も実施する可能性が高い、(3)ROEが機関投資家の投資の目処とされる5%以上へ浮上する見込みであることから短期的にはPBR1倍程度まで戻す可能性があると考える。(森田 青平)
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