米国マーケットを振り返る 11月1日

スケアクロウさん
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ポイント

 翌日に中間選挙とFOMCを控え、ダウ平均株価は小幅高で終えています。ただし、ザラバでは大きく値を崩しており、決して堅調とは言えません。10月のISM製造業景況指標が強かったことが、ザラバでの停滞の背景であったと見ています。QE2(量的金融緩和第2弾)への期待で上昇してきた株式市場にとって、強い経済指標は歓迎されなかったようです。

米国マーケットの動向

 好調にスタートしたダウ平均株価は10時頃には上げ幅を125ドル余りに拡大しました。しかし、その後は一転して下げ基調となり、3時過ぎには56ドル安をつけています。高値から180ドル余り下落したことになります。大引けにかけて多少戻したものの、結局6.13ドル、0.06%の小幅高で終了しました。



 好調なスタートの背景には、10月のPMIが予想を上回り2.52%の急騰を見せた上海総合指数が大きく影響したようです。



 加えて、9月の米国個人所得および個人消費がコンセンサスを下回ったことが、FOMCによるQE2への期待感を強め、マーケットからはむしろ好感されました。

 ところが10時に発表された10月のISM 製造業景況指数が予想を大きく上回り、9月の建設支出が堅調に増加したことが確認されると、マーケットの基調が悪化に転じました。

 VIX指数を見ると、好調な指標が発表された直後は一時的に低下したのですが、すぐに急速な上昇に転じています。マーケット心理が悪化して、投資家のリスク許容度が低下した様子が示唆されています。



 好調な経済指標を反映して、対ユーロでドル高が進行したことも。マーケットの重石になったようです。



 ドル安の恩恵を受けるハイテク・セクターには逆風となり、SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)は0.32%低下しました。



 ハイテクの比重が高いナスダック総合指数も0.10%の下落となっています。

 このように、米国株式市場は小幅な動きで終えてはいるのですが、ザラバの基調は決して堅調というわけではありませんでした。翌日に中間選挙やFOMCのQE2を控えて、神経質な動きが目立ったという印象です。

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