ひとりごと日記です。
メディアは、「ショック」と言う表現が好きなようです。
1971年、アメリカの当時のニクソン政権が
ドルと金(ゴールド)との交換停止を宣言した。
(1944年 ブレトン・ウッズ協定の放棄)
「ドル・ショック」ともいわれる。
どちらにせよ、当時のニクソン大統領が
メディアに発表したので
「ショック」が付く。
これによりドル(実質的な基軸通貨)が
{実質資産の金(ゴールド)}から切り離された。
NHKの大河ドラマ「龍馬伝」にもある
「大政奉還」のマネー版がなされた。
しかし、日本だけの明治維新よりはるかに
規模が大きい「ショック」だった。
それ以来、自己資本の何倍ものお金を使う銀行や
日本も含めた膨大な国債の発行によって
実質資産から切り離された通貨(信用)が膨らんだ。
国債と紙幣と意味が違うので注意したい。
紙幣は、持っていても利息はつきません。
(発行する方から考えればこんな便利なものはない。)
ただし、ともに借金といった側面がある感じ。
実体経済より金融市場が大きく膨らんでいた。
(膨らみすぎた…)
風船を力いっぱい膨らませると
どうなるか?
今回の金融危機をよく理解できない
投資家は、イメージするだけでもよいでしょう。
横(政策当局や市場専門家など)から、
「大丈夫ですよ~」と言ってくれる人がいても
膨らませ続けると、結果どうなるか。
…
フランスが得意とするデリバティブの組成によって
アメリカを中心にデリバティブ商品が世界中にばらまかれて
信用創造が、想像を超えるほど膨らみ
それが臨界点に達している。
世界の金融バブルが崩壊している。
国際金融の世界では、デカップリング論(非連動)などなく
リカップリング(連動)が「常識」です。
日本の専門家の中には、実体経済しか見ていない人もいる。
「表向き」は別として
正しく金融を理解している人もいるのだろうか…
そもそも今回のバブルの出発点は、
アメリカの住宅価格バブルの崩壊になる。
出発点を間違えると出口もわかりません。
専門家が言っていた「出口戦略」などある訳なかった。
住宅価格の上昇を「前提」としたデリバティブ商品は、
最初は、徐々に、しばらくすると急速に崩壊する可能性がある。
【参考】
「世界連鎖恐慌の犯人」
サブタイトル:ほんとうの地獄はこれから始まる!
堀 紘一氏著
2009年1月 PHP出版
(この本を何度かご紹介するのは、わかりやすいからです。)
世界中の政策当局が消火器を出して
いったん火を消したが、その消火器の消火剤がなくなっている。
消防訓練などで消火器を使った経験のある人ならば、
なんとなくイメージできるかも。
(各国の財政赤字が膨大に増えてしまった…)
今回の世界で起きている金融爆発事故は、
日本の不動産バブル崩壊を火力発電所の事故とすると
6京円とも言われる巨大なデリバティブが
「信用」の想像を巨大化していたので
原子力発電所の爆発事故レベルの迫力がある。
訳のわからない
日本の専門家や学者の皆さまは
のん気でいる。
そのため、多くの日本人は、
とりあえず心地よい無感覚の中にいる。
アメリカの一般人向けのメジャーなメディアも
のんびりしていると聞くが
欧米の専門家や一部のインテリ(知識人)は、
わかってきている。
日経新聞も少しわかってきている。
NHKさまは、今も昔も変わらず経済にうとい。
転換期は短期間のうちに
いろいろなことが起きるので
2007年以降、気が付けばさまざまな出来事が
大きなスピードで起きている。
財産保全を目的とする長期投資家は、
より高度なリスク管理が必要だと思う。
ニクソン・ショック以降の
金融システム・通貨システムが崩壊している。
幻のボルカー・ルールでも有名なボルカー元FRB議長も
講演で途中から、原稿を読まないで本音を話された。
「マクロプルデンシャル規制
(金融システム全体の脅威に対する信用秩序維持政策)と
言った言葉は、わたしにとっては耳障り(雑音)だ!」
「アメリカの金融システムは、現在も崩壊している~」
…
長期投資の武器と魅力は
「時間と余裕」
「周りの意見に左右されず自分の考えで行動することができる」
「自分の最大限の努力を発揮できる舞台」
だと思っている。
おしまいです。
PS.
米債券運用大手ピムコのビル・グロス氏も27日、自社のウェブサイトで
「FRBの債券購入はインフレ的でネズミ講のようだ」
(10月29日日経新聞夕刊より引用)
アメリカは、ファニーメイ(連邦住宅貸付抵当金庫)と
フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)を隠れ蓑して
「ネズミ講」のようになっている。
ネズミ講無限連鎖講は、いずれどうなるか。
常識のある投資家ならばわかる…
周知の通り、ネズミ講は、日本では
「無限連鎖講の防止に関する法律」(1978年)で禁止されている
世論をリードする日経新聞の
金融専門誌「日経ヴェリタス」は、
本来は、投資専門誌なので
ここを(ファニーメイ、フレディマック)を
くわしく説明する必要がある。
書きづらい点もあると思いますが
ここをパスしてどうするのでしょうか?
今回の金融危機の本質が読者に伝わらない。
「日経ヴェリタス」の出番だと思う。
もし記事になれば買って読みたい。
前回の日記にも書いた豊島 逸夫先生も
ファニーメイとフレディマックの問題を指摘されている。
今回の金融危機を知るうえで
とても重要なので、当然だと思う。
豊島先生は、金(ゴールド)にもくわしい。
商品投資のプロから見れば、株式や債券投資のプロなど
「ちょっとねぇ~」と言った感じ。
本当に商品投資にくわしい投資家は、
株式や債券だけでなく、為替、ヘッジファンド、国際経済情勢など
すべてを観察されている。
現場感覚も鋭い。
最後になりますが、先日、トヨタの社長が
某民放テレビに出演されていらっしゃった。
アナウンサーに邪魔されながら、
お話をされている中で
(経営環境など)
「大変な厳しい状況」
「大変な厳しい状況」
と少なくとも2回述べられた。
トヨタ社長の言葉の意味を理解し
長期投資家だけでなく、一般市民も十分に注意しながら、
慎重かつ柔軟に対応し、世界経済危機を乗り越えてほしいと思う。
まず、現状を正しく理解することが大切です。
その次に対応策です。
(ただし、難しいです。)
歴史、哲学、金融など幅広い分野にくわしい
「見識が高い」長期投資家が日本でも増えることを期待したい。