ポイント
ダウ平均株価は小幅に上昇したのですが、午前中には100ドルを越えて上げていたにも関わらず、午後2時頃には一転してマイナスに落ち込むなど決して力強いものではありませんでした。
米国株式市場の動向
前日終値を僅かに下回ってスタートしたダウ平均株価は、すぐに上昇に転じ、11時前には105.57ドル高をつけました。ところが、その後は調整色が強まり、2時前には41.78ドル安となりました。大引けにかけて戻したものの38.60ドル、0.35%高と比較的に小幅な上げで終えています。
午前中の上昇は、週間ベースの新規失業保険申請件数が予想より少なかったことや、キャタピラー、UPSなど好決算が多かったことが牽引したようです。
その後の調整は、対ユーロで急速にドル高が進んだためと見られます。
ドル高の過程で投資家心理も悪化しました。VIX指数は2.63%の低下となったのですが、日中の動きを見ると、ドルが急速に強まる局面で大きく上げており、投資家のリスク許容度が低下した様子を映し出しています。
同時に、ドル高はハイテク株を圧迫しました。SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)も日中の下落が目立ち、0.55%の下げで終えています。
米国株式市場に対する個人的な見方
’QE2’と呼ばれるFRBの量的金融緩和政策への期待の大きさのために、ダウ平均株価は弱い経済指標を歓迎しながら、マーケットは上げ続けています。
一方で、好決算を期待する動きもマーケットに見られます。マクロでは悪い数字が好感され、ミクロでは良い数字が評価されるという展開に矛盾を感じています。
経験的には、金融相場の性格が強まるとこのような局面が繰り返し現れます。そして、その矛盾を解消するようなマーケットの調整が極めて厳し場合が多いのが頭の痛いところです。
今回は何が調整の引き金になるのか? おそらく’QE2'の規模が期待よりも小さいことではないがと推測しています。
ガイトナー財務長官もFRBの緩和策が期待ほど大きくないことを示唆しています。そのために昨日はドルが上昇して円安に振れました。
というわけで、11月のFOMCにかけて、米国株式市場の動きには十分注意する必要がありそうです。
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