米国株式市場の動向と日経平均株価について

スケアクロウさん
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 今日の日経平均株価の見通しについては「今日の日経平均株価は? 10月21日」でご報告しましたが、米国株式市場の動向の詳細についてコメントします。

 前日を僅か4ドルほど上回る水準でスタートしたダウ平均株価は、急速に上げ幅を拡大して12時過ぎには160ドル近くまで上げ幅を拡げました。その後は多少上値が重くなり、129.35ドル、1.18%高で終了しています。



 上昇の背景は中国による基準金利引き上げショックによる前日の急落の反動と、米国企業の好決算。

 金利引き上げにもかかわらず、上海市場が上昇したことが、前日の大幅下落からの急反発の引き金となりました。



 好決算の銘柄も目立ちました。ウェルズ・ファーゴが4.28%と急騰しています。



 好決算に加えて、通期見通しを上方修正したボーイングも3.35%上昇しています。



 VIX指数を見ると、10時過ぎから12時頃まで大きく低下して、市場心理が好転したことを示唆しています。



 午後2時に発表された地区連銀経済報告の影響は限定的でした。「減速の兆候」から「緩やかな成長」とトーンが多少明るくなり、製造業の伸びが指摘される一方で、需要の停滞も強調されました。全体としては、FRBの量的緩和に対する期待に悪影響を及ぼすほど明るいものではなかったことが、むしろ好感されたという感じです。

日経平均株価の動き

 前日に中国の基準金利引き上げを契機に大きく反落したダウ平均株価が、上海市場の上昇もあって、大幅な反発を見せました。

 一方、昨日の日経平均株価は、ザラバで上海市場の堅調な動きを確認できたにも関わらず、後場に僅かな上昇を見せただけでほとんど目立った反応は見せませんでした。

 ところが、米国が中国の動向を好感して大きく上昇すると、日経平均株価も高く寄り付きました。

 このような動きはしばしば観察されます。

 問題は、日本のマーケットが独自に情報を織り込む能力の弱さ。今回は中国の動きにほとんど無反応でした。過去にも、米国株式市場で注目企業の決算が発表されてもまったく無反応で、その後米国でその決算が引き金となって大きく変動すると、翌日になってあわてて日本も追随するという例が散見されます。

 2つ目の問題点は、円高を背景に市場センチメントが極端に悪いこと。今日も高く寄り付いた後は、急速に勢いを失いました。正常な状態からは逸脱したような弱さを感じます。

 今日は、10時過ぎに急速に突然円安が進みました。G20を前に多少意外感があったのですが、指摘した2つ目の問題点を考慮すれば為替介入もあり得ないことではないと考えました。しかしながら、ガイトナー米財務長官が一段のドル安を歓迎しないとコメントしたことがが、ドルの買い戻しを促して円安になったというのが実態であったようです。

 したがって、今日の円安はこれで一段落となりそうな気配です。ただし、米国がこれ以上のドル安を好まないとなれば、日本のマーケットを病的とも言える状態に追い込んだ円高もそろそろ終わりということになるかもしれません。

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