ポイント
ダウ平均株価は僅かに反落したのですが、ナスダックが大きく上昇し、投資家もリスク選好の動きを強めています。米国株式市場全体の基調は良好という印象でした。CMEの日経先物価格(円ベース)は9,560円となっており、月曜日の日経平均株価は高めの寄り付きが期待できそうです。
米国マーケットの動向
スタート直後に46ドル高をつけたダウ平均株価でしたが、すぐに反落に転じ10時半前には84ドル近くの下落となるめまぐるしい展開となりました。しかし、その後は下げ止まりをみせ、力強い反発力はありませんでしたが、31.79ドル、0.29%安と下げ幅を縮小して終えています。
経済指標がマチマチであったことが、スタート直後の変動の背景にあるようです。9月の小売売上高が事前予想を上回る一方で、10月のミシガン大学消費者信頼感指数はコンセンサスを下回りました。9月の消費者物価指数が落ち着きを見せる一方で、10月のニューヨーク連銀製造協景気指数は予想を大きく上回りました。
その後マーケットが下げ止まりとなったのは、ボストンでのバーナンキFRB議長 の講演で、追加的金融緩和政策に対する姿勢が改めて確認されたことが影響したと見ています。
しかし、差し押さえの売却を停止する動きの影響が今日も銀行株を低迷させ、マーケットの上値を抑え込みました。JPモルガン・チェースが4.05%の大幅な下落になっています。
ダウ平均株価が停滞する一方で、ナスダック総合指数は33.39ポイント、1.37%高と好調でした。
前日引け後に好決算を発表したグーグルが11.09%の急騰を見せています。引け後の時間外取引ではさらに0.17%上げています。
このグーグルに引っ張られるようにマイクロソフトも堅調でした。1.23の上昇にとどまりましたが、午後に入ってからの好調な動きが目を引きます。
月曜日の日経平均株価への示唆
CMEの日経先物価格(円ベース)9,560円が日経平均株価の寄り付きのメドとなりそうです。
ただし、為替の動きから目が離せません。前日のミシガン大学消費者信頼感指数が発表されたあたりで一時大きく円高に振れたのですが、その後は円安に戻して、多少の落ち着きを見せています。油断もスキもありませんが、とりあえずは無難な推移です。
したがって、ザラバはとりあえず小動きを想定しています。
終わりに、全く個人的な見方ではあるのですが、前日に1ドル80円台に入った状況に注目しています。もし一段の円高が進み、一挙に79円台に突急する動きを見せれば、再び為替介入を想定する必要がありそうです。その意味で1ドル80円という大台は重要なポイントだと思います。
ボストンでのバーナンキ議長の講演は、G7で問題とされた通貨安競争を回避するどころか、先頭を切って通貨安競争を推進する動きのようにも見えます。だとすれば、前日のドル安の恩恵を受けるハイテク企業の好決算や、好調なナスダックの動きも納得がいきます。
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