ポイント
日経平均株価は4営業日ぶりの上昇とはなったのですが、後場に上げ幅を急速に縮小しており、停滞感が強い展開でした。アジア、欧州、米国とも堅調に推移しているため、明日の日経平均株価には追い風が吹きそうです。ただし、当局による「断固とした」様子見、別の言葉でいえば「野放し」が続く円高のために、日本だけが世界の中で取り残される可能性は念頭に入れておく必要がありそうです。
日経平均株価の動向
85円高で寄り付いた日経平均株価は、10時過ぎには121円まで上げ幅を拡大しました。しかし、その後停滞感が強まり、後場に入ると下落ピッチが速まり、結局14.87円、0.16%の小幅高で大引けを迎えました。
金融緩和政策の手を緩めないFRBの姿勢がFOMCの議事録で確認されたことが好感されて、米国株式市場が上昇したことや、8月の機械受注がコンセンサスを大きく上回たことが背景となって、日経平均株価は好調なスタートを切りました。
しかし、為替が円高に振れたことがマーケットの重石になりました。ドル円が10時過ぎから急速に円高に動いています。
ユーロ円はドル円に比べて動きが穏やかでしたが、それでもやはり10時過ぎから明確に円高基調に転じています。
為替がマーケットの停滞の背景でしたが、前日の米国株式市場が引けた後に発表されたインテルの決算が好調であったため、半導体関連など円高に弱い銘柄が堅調であったことが目を引きました。京セラが2.44%上げています。スタート直後から好調でしたから、インテル効果が大きかったようです。
一方、銀行株に低迷するものが目立ちました。みずほフィナンシャル・グループが4.0%と急落しています。東京電力が公募増資で大幅に値を崩している連想で、自己資本強化のための増資懸念が引き金になったと考えています。後場に入ってからの低迷が顕著でした。
海外市場の動向
アジア市場は上昇しています。インド(+2.14%)を始め、インドネシア、シンガポール、香港などが1%を上回る上げ幅となりました。中国の貿易統計で輸出入の伸びが鈍化したことや、不動産の引き締め策が嫌気されて、ザラバで一時停滞感が強まった香港ハンセン指数が、大引けにかけて大きく戻したのが印象的でした。
欧州はアジアよりさらに堅調な展開です。スウェーデンを除いて、軒並み1%を越える上昇率となっています。
このようなアジアや欧州のマーケットの動きを映して、GLOBEXではダウ(+71ドル)、ナスダック(+15.5ポイント)ともに好調な推移です。
今日は9月の輸出入価格が発表されますが、マーケットの興味は、開け前に発表されるJPモルガン・チェースの決算にあるようです。また、前日引け後に好決算を発表しているインテルの動きも興味深いところです。
「人気ブログランキング」に参加しています。記事がお役に立ちましたら、下のバナーをワン・クリックお願いいたします。大きな励みになります。
本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN MONEY、MSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、サーチナ、ゴールデン・チャート、外為どっとコム