日米の株価乖離と為替・金利

スケアクロウさん
スケアクロウさん
 日米の株価乖離が一段と目立ってきたように見えます。その背景にあるのは為替。現状を確認しておきたいと思います。

 まずダウ平均株価と日経平均株価の動きから。7月以降の乖離拡大が鮮明です。



 乖離の推移を描くと次のようになっています。



 この日米株価乖離に指数化したドル円の動きを重ねると連動性の高さが見てとれます。



 この図からわかるように、日本の株式市場の低迷のかなりの部分が円高を放置してきた結果であることが明らかです。

 図中のマルで囲った部分にご注目ください。為替介入の影響が示されています。果たして、これがどの程度重大な意味を持つのか?多分に主観の問題でしょうが、私には基調を変えるほどの重大なものには見えません。

 そうなると、気懸りなのは今後の為替の動き。為替介入が、お金がかかるわりにインパクトがこれほど小さいとなると、さらに円高が進む可能性も念頭に置く必要がありそうです。国際通貨研究所が算定する輸出価格ベースのドル円購買力平価1ドル70.4円がメドとなりそうです。



 為替については、日米の長期金利の格差に注目する見方があります。その問題点は、長期金利の格差とドル円の動きに目だった連動性が見えないことです。先ほどの日米株価の乖離と為替との連動性の高さと比較すると違いが明確です。



 この長期金利の格差は名目金利ですから、デフレに苦しむ日本の実質金利ははるかに高いということなのかもしれません。

 というわけで、せっかくの週末に、なんとなく暗い雰囲気の話になってしまいました。しかし、実は、2011年にはこの動きが逆転するのではないかという気がしています。明確なシナリオが描けているわけではないのですが、円高によって低迷した日本の株式市場は非常に大きな上昇ポテンシャルを持っていると考えています。

 このあたりの見方については、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間達」への私の投稿記事「2011年の株式市場を読む」(9月6日)も併せてお読みいただければと存じます。

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