明朝(20日)午前7時、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間達」に私の投稿記事「為替介入 : かかし」が掲載されます。お時間がございましたら、是非ご参照いただければと存じます。
その中で触れているのですが、為替介入で円安に振れたあと、果たしてどのような展開になるのかに興味を持っています。
さらにお金をつぎ込んで、一段の円安を目指すのか? 国際的な通貨切り下げ競争を誘発するような戦略は取りにくいだろうと見ています。
現実的には、現在の為替水準での安定を図るということなのだろうと思います。しかしながら、そのためにはかなりの努力(とコスト)が必要な気がします。
2-3日安定した為替相場が実現すれば、それを前提にした楽観的な投資戦略が出てきそうですが、予断は許さないと考えます。
その楽観的な見方の背景の一つに、米国経済に対する景況感があります。先週は弱い経済指標が続いたのですが、指標が発表されるたびに下落したマーケットが、すぐにそれを埋めて上昇を続けてきました。米国景気が心配したほど悪くないという安心感が支えているようです。
しかし、景気先行指標である全製造業ベースの在庫循環モメンタムを見ると、頭打ちから下落基調への推移が鮮明になっています。景気の減速は、今後一段とはっきりしてくると見ています。
それなのに、なぜ楽観的な見方があるのか? 実は全製造業の中の「コンピュータとその周辺機器」の在庫循環モメンタムの基調が比較的に強いことが大きく影響しているのではないかと推測しています。アップルの新製品の寄与が大きかったのかもしれません。そう考えると好調なナスダックの動きも納得できます。
ただし、このハイテク分野を含めた全産業で見れば、減速が進んでいることを忘れてはならないようです。
もう一つ、楽観的な見方の背景には、米国景気回復→米国長期金利上昇→日米金利格差の拡大→ドル高円安→日経平均株価上昇という期待感があるようにも見えます。
この問題点は、日米金利差の動きと為替の変動に整合的な関係が見えないことです。ある時期は相関性を見せ、またある時期には見事な逆相関となっています。要するに、理論的にはともかく、実際は金利以外の要因が為替に対してより大きな影響を及ぼしているように見えます。
というわけで、好調に見える米国株式市場に依存した、楽天的な見方には警戒する必要があると考えます。
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