通貨バスケット制は自国の通貨を複数の外貨に連動したレートにする固定相場制のことである。
外貨の構成比率は貿易比率によって決めるのが一般的である。1985年をピークに採用国数は減少傾向になった。その後、メキシコ通貨危機やアジア通貨危機が発生したため、近年見直されつつある。先進国等、経済規模が大きい国では主に変動相場制が用いられており、そのレートは比較的大きく変動している。そのため貿易比率がある程度分散している場合、一国の通貨に連動する体制を取ったのでは他の貿易相手国との為替レートが大きく変動してしまう。それをある程度緩和できるというメリットがある。近年では2005年に中華人民共和国が採用した。
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中東湾岸諸国は、ドルに固定した相場制をとっているため、ドル安となった場合、中東湾岸諸国にも影響を及ぼす。このため、最近では湾岸諸国の各国通貨を連動させる通貨バスケットを作る動きが見られる。
通貨バスケット制を導入するとドル安を加速させる恐れがある。