ポイント
利益確定売りの動きに、対ユーロで円高が進んだことが加わり、想定より厳しいスタートとなったのですが、前日までの楽観的なムードは健在だったようです。10時半頃にかけて急速な回復を見せました。ところが、後場になると一転して調整色が強まりました。ユーロ円に加えて、ドル円が円高に振れた影響が大きかったと見ています。現在は、米株先物が軟調に推移しており、円高傾向も鮮明なため、明日の日経平均株価の寄り付きも厳しいものになりそうな様子です。
日経平均株価の動向
69円安で寄り付いた日経平均株価は、すぐに下げ幅を急速に縮め、10時半頃には9円高をつけました。しかし、その後は調整に転じ、後場に入ると2時にかけて下げが加速しました。その後多少の回復を見せたのですが、結局75.32円、0.81%安で大引けとなりました。
後場に見られた急速な下落の背景は、対ドルで円が83円台となった為替であったようです。
ホンダのザラバの動きをみると、ドル円の重圧が鮮明です。
このドル円の円高への振れは、日銀の円高放置というこれまでの為替政策が改めて確認されたことによるものですが、今日は対ユーロで円高の動きも目立ちました。厳しい寄り付きの理由の一つにもなっています。
背景にあるのは、恒例の欧州問題。マーケットの上昇が一服すると決まって顔を出してくるような気がします。今回は、欧州の一部の銀行が保有国債を過少申告したという報道がきっかけとなったようです。この欧州問題は、これからもタイミングの良いところを見計らって、たびたび出てくると思われます。そのせいか、対ユーロでかなり急激に円高が進行しているのですが、その株式市場への影響は比較的に限定されているように見えます。
というわけで、終わってみれば、今日も為替に振り回された一日でした。
しかし、このようなマーケットに影響されず、元気一杯な銘柄も目につきました。
抗生物質が効かない新型の「スーパー耐性菌」に対して、二酸化塩素で除菌を行うアプローチが評価されて、大幸薬品がストップ高となったことが目を引きました。
海外市場の動向
アジア市場はマチマチでしたが、全体的に小動きでした。上海市場は0.08%の小幅上昇となっています。
一方、欧州市場は軟調です。ストレステストに対する不信感が、軟調な低下いの背景にあると見られます。フランス、スイス、オランダ、イタリアなどが1%を越えて下げています。
GLOBEXでは、ダウ(-48ドル)、ナスダック(-9ポイント)ともに下落しています。下げ幅は拡大しています。欧州の軟調な動向に加えて、先週の大幅な上昇の反動ということもあるようです。
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