私は、株式投資で景気サイクル分析を重視しています。
景気サイクルには、在庫サイクル、設備投資サイクル、建設サイクル、そして技術革新や金利などの超長期サイクルなど様々な波長をもったものがあります。
中でも3-5年程度の波長をもつ在庫サイクルを重視しています。
ベースとしているデータは、経済産業省が毎月発表する「鉱工業生産動向」。
一般的には、「生産」の動向が重視されます。私は「生産」より「出荷」や「在庫」の動きに焦点を合わせています。
今日は、その理由についてご説明したいと思います。
通常は次のように考えられています
生産の増加→株高
生産の減少→株安
ところが、長い間この指標を扱っていると、そうである場合もあるのですが、そうでない場合もあります。
なぜか?
生産の増加が。出荷の増加の裏付けがある場合、つまり作ったものがすぐに売れていく場合には、生産の増加→株高となる傾向があります。そのような場合には在庫の積み上がりが見られないことが特徴です。
生産は増加しているが、出荷が増えていない場合、つまり作ったもののさっぱり売れないような場合には、生産の増加→株高とはなりません。面白いことに、このような場合でも、瞬間的には生産の増加でマーケットが上昇することもありますが、すぐに反落する場合が多いようです。在庫の積み上がりが見られることが重要なポイントです。
ということで、生産の数字を投資判断に使うのではなく、出荷と在庫の組み合わせで判断するようにしています。
出荷数量の増減率(前年同月比変化率)から在庫数量の増減率を差し引いた「出荷在庫バランス」、あるいは出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いた「在庫循環モメンタム」で、株価の動きを判断する理由がここにあります。
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本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN MONEY、MSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、サーチナ、外為どっとコム