小沢氏が民主党代表選に出馬を表明してから、政府日銀の間で突然にトーンが高まった円高対策について考えてみたいと思います。これまで円高を放置し続けたことが、いかに株式市場の低迷に影響してきたかに焦点を合わせます。
日本の株式市場の低迷が目立ちます。先週1週間で日経平均株価は2.05%下落してしまいました。一方で、ダウ平均株価は0.62%の下げにとどまっています。
多少長い目で見ると、日米の株価は高い連動性を維持しています。ところが、最近は両者の乖離が拡大しています。現在は13%近くの差がついてしまいました。
今年5月7日には両者の差は僅かに0.15%に過ぎませんでした。そこから日経平均株価は13.3%下落する一方で、ダウ平均株価は2.2%の下げにとどまっています。
この日米株価の乖離をドル円の動きに重ねるととてもよく連動しています。円高を放置したことが、日経平均株価の低迷に大きく影響したということです。
今年の年初来株価パフォーマンスは-14.74%、それに対して5月7日から現在までの下落率が13.25%ですから、最近4カ月弱の間円高を放置したことがいかに重大なことであったかがわかります。
そこで、視点を変えて、世界の注目市場の中での日本の位置を確認してみたいと思います。
1月15日には、日本のパフォーマンスはロシア、インドネシアについて3番目と好調でした。
それが、8月27日には上海、ドバイに次いで後ろから3番目。最下位グループに低迷しています。最下位の上海のパフォ^マンスが回復傾向ですので、このままでいけばドバイと最下位を争うことになりそうな兆しです。
本当に日本はそこまで弱いのか? そこで、日本の株価パフォーマンスを円建てではなく米ドル建てで測ってみます。すると、日本は-14.74%ではなく-7.31%となります。決して良いパフォーマンスとは言えないのですが、それでもオーストラリアを上回り、ブラジルや香港、台湾などとほぼ肩を並べます。
このパフォーマンスの比較は、本来は全市場をドルベースで測るべきですから、必ずしもフェアではありません。ポイントは、円高の放置が日本の株式市場に大きな影響を及ぼしたことを明確にすることです。
以上のようなことを考えると、理由はともあれ、円高に「断固とした対応」をとると言い始めた政府の対応は歓迎すべきことです。日米の株価乖離が13%近くあるわけですから。それが日経平均株価の為替による上昇ポテンシャルと見ることもできそうです。
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