1987年ブラックマンデイの直後にロバート・J・シラーが
個人投資家2000人、機関投資家1000社にアンケートを
行いました。
シラーによると、個人投資家の20.3%、機関投資家の
43.1%が暴落の当日、「精神的に集中できない、手の
ひらに汗をかく、胸がキリキリと痛む、イライラする、
脈拍が高くなった」と回答があった。
これは正にパニック症状と同じ状態です。
株価の下落がストレスを引き起こし、そのストレスが急激な
態度変化を誘発し、それが新たな売り注文となって市場に
出てくる。
これが更なる株価下落を呼び、比較的冷静だった投資家の
ストレスも極限に達する。
こうなるとストレスに耐え切れなくなった投資家から
次々と出口に殺到する。
まさに売りが売りを呼ぶ展開となったのですが、大暴落が
引き起こされた要因と、人の精神、心理、症状との関連性を
シラーは指摘しています。
それとは逆に暴騰したり、大きく儲けたりすると、人の
脳内はドーパミンと呼ばれる物質が活性化します。
ドーパミンが増加すると、人はノリノリの状態になり、口が
饒舌になったり態度が大きくなったり、リーダーシップ能力が
向上したりします。
お酒を飲んで酔っ払ったりした人が、上記のような行動に
変わることがありますが、それに似ています。
お酒はアルコールが抜ければ元に戻りますが、株で儲けて
ドーパミンが増加すると、人は誰かに儲け話を話したく
なるものです。
特に投資の初心者がいきなり大儲けすると、損をした経験が
ないため、経験者以上に冷静でいられなくなります。
誰かの著書で、ウォール街の靴みがきに投資を薦められて、
これはバブルだと気付き世界恐慌の前に資産をすべて売った
投資家がいたという話がありました。
靴みがきの人は楽観論、群集心理が招いた心理で、発言した
言葉ではないでしょうか?
脳内物質は数多くありますが、主に以下の2つが相場では
増加減少を繰り返しています。
ドーパミン
「快」に関わる脳内物質。この分泌が多いと、食欲や
性欲がわき、やる気がみなぎる。
ノルアドレナリン
ネガティブな気持ちを引き起こす脳内物質。この分泌が多いと
不安やストレスが増す。
これが感情や態度に表れるのですが、これを隠せる人は
ほとんどいません。
http://saig.livedoor.biz/archives/1863916.html