液晶テレビでは部材調達、在庫、売価動向に引続き注目
<割安感はあるが、強気に転じるには早い>
キャッシュリッチな財務構造、指標面での割安感など踏まえれば、現在の株価水準からのダウンサイドリスクは小さいとみる。しかし、強気に転じるには、(1)米国に依存する構造からの脱却、(2)液晶テレビとDVD/ブルーレイディスク以外の製品の売上拡大などで、中期的な収益成長が加速するシナリオが見えてくる必要があるだろう。
<1Qは在庫が想定以上に増加>
11/3期1Q(4-6月)は前年同期比3%減収、32%営業減益。米国向け特需の剥落などで減益は予想されていたが、在庫が想定以上に増えるなどネガティブな点も散見。プリンタが計画比強含みで推移しているものの、下期の米国におけるテレビの売行きや為替動向に不透明感が強く、通期会社計画をやや下回るTIW業績予想を今回は据え置いた。
<北米TVは大型サイズが苦戦>
北米ではPhilipsブランドの大型サイズの販売が苦戦し、価格引下げから北米の採算悪化に繋がっている。増加した部品在庫の大半は19/32インチ液晶テレビ向けで、2Q(7-9月)以降消化できるとしている。とはいえ、現在液晶パネルの価格下落が加速しており、この局面での在庫滞留は採算悪化を引き起こす可能性もある。今後も液晶テレビは部材の安定調達、在庫や売価動向などに引続き注意が必要。(服部 隆生)
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