8月9日、ロシアのプーチン首相は、穀物輸出禁止措置について、期限を延長する可能性があると発言。同国南西部ソルゴンで7日撮影(2010年 ロイター/Ilya Naymushin) [拡大]
【モスクワ 9日 ロイター】 ロシアは9日、15日からの穀物輸出禁止措置について、被害が一段と深刻化する恐れがあることから年末までとしていた期限を延長する可能性を示唆した。さらに、猛暑の影響で作付けができず来年の収穫にも影響が及ぶ事態を警告した。
干ばつの影響でロシアからの穀物輸出は大幅に減少。世界的な供給は十分な水準にあるものの、小麦価格は過去2年の最高水準に上昇した。主要業者による輸出のキャンセルも相次いでいる。
プーチン首相は政府の会合で「ロシア農業省による最新の穀物生産高予想は6500万トンだが、6000万トンになる可能性がある」とし、12月末までとなっている輸出禁止措置について「収穫状況を見極めた上で決定が下される可能性がある」と述べた。
発言を受けて欧州市場では、先週からの売りが続いていた小麦価格が急騰した。
農業関連の通信社SovEconは、ロシアの小麦収穫量は約3分の1減少し4350万トンとなる可能性を指摘した。輸出禁止措置は来年まで延長される公算が大きいという。ロイターが5日に実施した調査では、収穫量見通しは4650万トンだった。
2010/08/10 9:17