6月の鉱工業生産動向を出荷在庫バランスを通して見てみたいと思います。
ポイントは、出荷数量の変化率から在庫数量の変化率を差し引いた景気指標である「出荷在庫バランス」の低下が一段と鮮明になっていること。ただし、機械を中心とする資本財の健闘が目立ちます。衣料や食品などの非耐久消費財が底打ちの兆しを見せていることにも注目です。暑夏効果もあり、今後一段と回復が進みそうです。
まず、鉱工業生産の前年同月比増減率の推移です。頭打ちが鮮明になってきました。
鉱工業の出荷在庫バランスを見ると、出荷の減速に在庫の増加が重なり、下落基調が目立ちます。
鉱工業の中の耐久消費財です。自動車が最大の品目です。かなり速いテンポで下げています。出荷の基調が急速に悪化しています。
一方、衣料や食品など生活日用品を主体とする非耐久消費財は底打ちに気配です。在庫積み上がりのペースが減速してきました。7月は暑夏効果もあって、出荷の基調が改善することが期待出来そうです。
建設機械、工作機械、産業機械といった資本財は頭打ちの気配は見せているのですが、高い水準にとどまっており、堅調さが光ります。
とくに、輸送機械を除く資本財は僅かですがピークを更新しています。機械関連の株価は、この指標の下支え効果が期待できそうです。
建設財は反落しました。住宅関連指標の好調な動きもあるので、良い銘柄を選別する努力が必要なようです。
半導体を含む電子部品、化学製品、鉄鋼高炉製品などの生産財は、耐久消費財と並んで、下落のペースが速まっています。
以上が、出荷在庫バランスを通して見た鉱工業の動きです。景気の方向感が一段と鮮明になってきたことがわかります。投資の観点からは、非耐久消費財と資本財の関連銘柄に注目しています。
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