好決算を背景に、信越化学工業の株価が1.47%上昇しました。
第1四半期の決算と同時に、これまで公表を控えていた2011年3月期の通期業績予想がリリースされましたので、それを用いて財務株価分析をしてみました。
まず株価は4135円。前日比60円、1.47%高となっています。
次に財務データ。今日、会社側が公表した数字をそのまま用いています。全て一株当りです。したがって、2011年3月期の売上高は2407円、営業利益が343円、当期利益が255円で、そのうち100円が配当金です。利益剰余金が期末で3206円に膨らむ見込みです。総資産4249円と比較して、その大きさが際立ちます。有利子負債は46円に過ぎません。
財務分析で注目されるのは、総資産回転率の向上。利益率の上昇と重なって、総資産営業利益率(OROA)が6.63%→8.06%→8.43%と急速に上昇する見通しです。
株価評価としては、来期業績2012年3月期をベースにすると、株価売上高倍率(PSR)1.55倍、総資産回転率0.61回転、財務レバレッジ1.22倍と予想されますので、PBR(純資産倍率)はこの3項目を掛け合わせた1.15倍となります。一方、BPSは3610円と予想されるため、両者を掛け合わせた数字が現在株価である4135円となっています。
そこで来期の目標株価の算出するにあたって、PSR1.55倍を目標PSR 1.83倍に置き換えます。そして、目標株価を逆算して求めると4,870円となります。約17%程度の上昇ポテンシャルがあると見られます。
なぜ目標PSRが1.83倍なのか?この数字を当期利益率割って求めるPER(株価収益率)を20倍と見ているためです。ちなみに、前期のPERは21.31倍でしたから、多少低目の想定をしていることになります。
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