金融改革法案の骨子と格付け会社、債券市場の混乱 2010年07月22日
今回のオバマ大統領によって署名され成立した法案の概要からけっこう好い加減なザル法だと推測される。しかし、格付け会社は消滅の危機から、自らの発行した格付けに対して否定するような文章を各連絡先に配ったとされる。結構自分で好い加減だと思っているのだろう。これを出すことで、AAAの格付けも意味がない物になると、米国債もしばらく発行できない事態になったようだ。顧客に対してどうやって格付けするか真剣に問われるようだ。バーナンキFRB議長もこの辺を考慮し、朝の論調になった模様。GSなども自己資本比率が大幅に減り、投機はできないのでは。別会社にして、郵貯のような銀行ばかりできそうだ。一方、自動車会社のファイナンス部門は好い加減でも良いようだ。金融の業績不振に拍車がかかる。米国は自分で自分の首を絞める法案を作ったようだ。オバマはそのことに気付かないだろう。
米国 / 米 金融規制改革法案の概要 / The Wall Street Journal, Japan http://jp.wsj.com/US/node_83075
ボルカー・ルール: 大手金融機関の自己勘定取引を概して禁止する。資本の3%以下でのヘッジファンドやプライベートエクイティ・ファンドへの投資は可能。
信用格付け会社: 利害相反に対処するよう設計された準政府機関の設立などで、格付け業界の改革を狙う。SECはこの種の機関の設立に向けた調査を行う。格付け会社の過失に対する投資家の訴訟を容認する。格付け会社に罰金を科す権限を持つ監督部局をSECに設立する。さらにSECに対し、長期間に正当とみなされない格付けを多数行った企業の登録を抹消する権限を付与する。
格付けの使用禁止─格付け会社の要請で米債券市場が混乱http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_84216
スタンダード&プアーズ(S&P)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスの主要格付け3社は、顧客に緊急の要請を行った ─ われわれの信用格付けを使用しないでほしい。