16日後場の日経平均株価は前日比277円17銭安の9408円36銭と大幅続落。終値で9500円割れは7月7日以来、約1週間ぶり。先物主導で下値を模索した。円高進行を背景に売りが加速。3連休前のポジション調整もあって下げ幅を拡大し、一時9400円を割り込んだ。東証1部の出来高は17億3382万株。売買代金は1兆1641億円。騰落銘柄数は値上がり214銘柄、値下がり1363銘柄、変わらず96銘柄。
中堅証券のマーケットアナリストは「米国のデフレ懸念で利上げの可能性も遠のいた。きょうは下げ過ぎだとは思うが、ドル・円が一時86円台を付けたインパクトは大きい。朝方の下げ渋りにも5日移動平均線で上値を抑えられてしまったため、上値の重さも意識されたようだ。9500円割れでは割安感も出てくるため、公的資金などの買いも期待されるため、年初来安値を付けにいくとは思っていないが、決算注視の相場が、マクロ指標注視の相場に変わってしまったため、週明け発表の住宅指標などは注目だろう」と指摘している。
業種別では、板硝子 、ガイシ などガラス・土石株が下落。メリル日本証が投資判断を引き下げたイビデン をはじめ、ソニー などハイテク株も売りが継続した。日産自 、トヨタ など自動車株も安い。浜ゴム などタイヤ株もさえない。ゼオン 、昭電工 など化学セクターも下押した。三菱マテリアル など非鉄金属株や、オークマ など機械株の下げもきつい。レナウン 、日清紡HD など繊維株も停滞した。
半面、英メジャーBPがメキシコ湾の原油流出が止まったと発表したことを受けて、海洋掘削 が上昇。11年5月期連結で2ケタ増益予想のサカタのタネ や、11年3月期連結業績予想を上方修正したIDEC なども継続物色された。日経平均採用銘柄でプラス圏を維持したのは、三井物産 、ANA 、DOWA など9銘柄にとどまった。なお、東証業種別株価指数は、全33業種中、31業種が下落した。
提供:モーニングスター社