3期振りの営業増益見込む。足元の調整は短期で収束すると予想
<指標面でも株価に割安感があろう>
11/3期は、3期振りの営業増益を見込む。国内の建設向け鋼材価格や中国等向け鋼材輸出価格が軟化していること等が嫌気されて、同社の株価は下落している。しかしTIWでは、輸出価格の調整は短期的な需給悪化が主要因で、新興国の鋼材需要は依然拡大基調にあるため、調整は長引かないと予想する。また、店売り鋼材価格は2月から5月まで上昇した後、6月から軟化しているが、高炉メーカーの7-9月の主原料価格は上昇しており、建設向け等の鋼材価格にも下げ止まり感が出てくるだろう。指標面でみても株価は割安な水準にあると考える。
<同社の鉄鋼事業の収益計画はやや保守的と考える>
同社は、11/3期の単体ベースの鉄鋼事業の売上高を10/3期比19%増の6,970億円、売上総利益を同17%増の278億円と予想しているが、計画を上回る可能性が大きい。各高炉メーカーは、11/3期の粗鋼生産量を10/3期比2桁増を見込み、大手自動車向け等のひも付き契約価格は、上期の主原料価格高(前年同期比25%程度上昇)をほぼ反映した水準に上昇している。主原料価格交渉が四半期ベースとなったことで、下期以降の鋼材価格に不透明感がますます強くなっているが、11/3通期の鋼材平均価格は10/3期比で2割程度は上昇すると想定して良いだろう。(佐藤 謙三)
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コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
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