ポイント
前場の安値から後場につけた高値までの値幅は260円近くに達しました。円安と上海市場の上昇が牽引したと見ています。好調なアジア市場や欧州市場を反映して、米株先物が上げ幅を拡げていますので、明日の日経平均先物も好調なスタートが期待できそうです。ただし、今日の後場の上げは、前場での売り方の踏み上げがかなり影響している可能性があります。明日は、その反動を計算に入れておこうと考えています。加えて、ユーロの強さの理由が今一つ明確ではないことも気懸りです。
今日のマーケット動向
108円安で寄り付いた日経平均株価は、すぐに下げ幅を拡げ、10時前には175円安をつけました。ところが、その後は一転して上昇基調になり、後場には一段と上げ足を速めました。2時過ぎに84円高まで上げ幅を拡げ、目立った手仕舞いもなく、71.26円、0.77%高で大引けを迎えています。
スタート直後の低迷と、その後の反騰の背景には為替の動きがあったと見ています。ユーロ円の動きを15分足で見ると、10時頃に基調が大きく変わったことが鮮明に示されています。
ドル円もほぼ同様の動きでした。
後場に入って、一段と上昇ピッチが加速したのは、1.92%の上昇となった上海市場の動きが影響したと見られます。
代表的な中国関連銘柄の一つである日立建機のザラバの動きを見ると、後場に入ってからの上昇が顕著で、上海市場のインパクトの大きさを示唆しています。
上海市場をはじめとして、アジア市場は好調でした。香港。台湾、インドネシア、インドなどが1%を越えて上げています。
欧州市場はアジア市場よりもさらに好調にスタートしています。フランス、イタリア、ノルウェー、スウェーデンが2%以上、その他も1%を越える上昇率です。
このような流れを受けて、休日明けのGLOBEXでは、ダウ(+102ドル)、ナスダック(+26.75ポイント)ともに大幅上昇での推移です。上げ幅は拡大しています。
今日は。ISM非製造業景況指数の発表が予定されています。
明日の見通し
欧州市場や米国市場が好調に推移すると見られるため、明日の日経平均株価も高い寄り付きと堅調なザラバ展開が期待できそうです。
ただし、正直に言うと、世界に広がった楽観ムードは、少し調子が良すぎるという感じがしています。
上海は、相次ぐ大手銀行のファイナンスの問題や、不動産市況の軟化を警戒する見方が掻き消されてしまいました。果たして、西部大開発プロジェクトの効果が、これらの不安を陵駕するほど影響力が大きいのか、確信が持てません。
ユーロが力強い回復を見せているのですが、それを牽引する要因は今一つ不鮮明です。
米株先物が上昇していますが、アジアや欧州が強いという理由を除くと、独立記念日の振り替え休日の間に、何か特別に良いニュースがあったということではなさそうです。
というわけで、明日は一応楽観的に見ていますが、浮かれてばかりもいられないと思っています。
特に、今日のマーケットの上げには、朝方の売り方の踏み上げの影響もあるような気がしていますので、その反動を計算に入れておく必要があると考えています。
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