可能性の芽を摘まない

socialcolorさん
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ファイナンシャルプランナーが書いている本などで、まとまったお金ができたらまずはローンの繰上げ返済に充て、金利の負担を軽減しましょうという内容の文章を見かけます。
この考えは、投資により資産を増やそうとする人には明らかに間違った考え方です。何故ならこれは資産を増やそうという考えではなく、支払い金額を減らそうという考えだからです。
例えば、ローン返済の元利込み借金1000万円があったとして、500万円の手持ち資金を繰り上げ返済することにより、総返済額が900万円になる場合を考えます。
この場合、単純に考えると、手持ち資金:500万円、借金:-1000万円が、手持ち資金:0万円、借金:-400万円になったということです。さて、この手持ち資金を年利α%で運用したとすると、繰り上げ返済しなかった場合、1年後の手持ち資金は、500+500×α%、借金:-1000万円、繰り上げ返済した場合、手持ち資金:0円、借金:-400万円となります。
もうお分かりのように、手持ち資金がなければ資産は増えないのです。
でも最終的に100万円よけいに払うんだから、それ以上儲けられなければ損してるじゃないか、または、手持ち資金が0になるまで繰り上げ返済なんかしないから、残った資金で運用すればいいじゃないかと思う人はよく考えてみてください。
繰り上げ返済をした、しないに関わらず、収入、運用は同じとすれば、少なくともローンを払い終えるまでの間、手持ち資金(使えるお金)は、繰り上げ返済しない場合より増えることはないのです。更に、手許に残った僅かな資金では投資したとしてもリターンは僅かです。また、人間の心理として堅く運用したいと考えがちで、リスクの大きい投資はしにくいものです。
以上まとめると、、
①手持ち資金がなければ、打てる手段は限定されてしまう
②手許にお金がなければ、それを他の価値に交換出来ない(目的を実現できない)
よって、返済できる目処があって、ある目的のために資産を増やそうというのであれば出来る限りローンの返済を後延ばしし、手許に資金を持ちそれを運用するべきだということです。※怖いのは資金がショートすることであって、借金ではないのです。
上記は、論理的な考え方ですが、私がそれ以上に問題だと考えることがあります。それは、資産を増やそうと決めた人が、自らその可能性(金額)を限定してしまう(この場合、100万円)ことです。
’可能性の芽を摘まない’目先の小さな勝ちにこだわっては、大きく伸びないと思います。

※これをキャッシュフロー重視の考え方と言います。この考えの基、企業では、社債等で借入金を増やしてでも設備投資に当てることで事業を大きくして利益を出そうとします。
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#投資
5件のコメントがあります
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1234567890qwertyuiopasdfghjkl;さん

コメントありがとうございます。
いつも日記拝見させて頂いております。
おっしゃる通りだと思います。アカウンティングの考えからいっても、アメリカ国債の利回り(利率ではなく)を上回る利益を上げられないのであれば、その事業(投資)を行う意味がなく、さっさと国債に投資せよということになっていますし。
資産を増やそうというからには、当然それ位は理解していて、それ以上のリターンを狙っている(運用の見通しが立っている、または立てようとしている)方が多いだろうという観点から、この日記をしたためた次第です。
socialcolorさん始めまして
事業の運用成績と金利を比較して、運用成績のほうがコンスタントに勝るのならおっしゃるとおり可能な限り負債の先延ばしを行い手元に流動性資金を確保するのは妥当な考えと思います。
わずかながらマシになったとはいえ、いまの日本のような低金利であればなおさらおっしゃるとおりだと思います。
問題があるとすれば、他国の場合は相対的に金利が高いこと、その金利以上にちゃんとコンスタントに運用できる経営見通しが立っているのかどうかだと思います。
見通しの立たない人は素直に借金返済を優先したほうがいいと思っています。
金の延べ棒さん
ヨッシーさん(いつもありがとうございます。)

ありがとうございます。書いていて励みになります。
本文は、自分に言い聞かせるべく独断と偏見で書いております故、反論もあろうかと存じますが何卒ご容赦ください。
出来るだけ、どなたにも理解しやすい様にex.、比喩等を使いながら書いていく所存ですので、これからもよろしくお願い致します
私もこれからそう遠くない将来に家を建てることになると思いますが、socialcolorさんの言われる問題に直面するかもしれませんね。
その前に株で儲けて家をキャッシュで買えれば何の問題もありませんが・・・。
なるほど。勉強になります。

でも、最後におっしゃるとおり、会社として利益を出していく考え方と同じですね。

なかなかその考えにシフトできないのが個人としての思い込みの壁かもしれません。
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