先週金曜日に、米国商務省が発表した5月の製造業受注統計を使って、米国の景気の動向について確認しておきたいと思います。
製造業受注指数は前月比で1.4%減少して、0.5%の減少にとどまるとしていたコンセンサスよりも弱い内容であったのはご存じのとおりです。ダウ平均株価は、この指標が発表された10時ごろに多少下げており、ある程度のショックがあったことが窺えます。
では、もう少し深く、この統計が持つ意味を考えてみようと思います。
いつものように、出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いた全製造業の在庫循環モメンタムという景気指標に引きなおしてみます。ポイントは、頭打ちが鮮明になってきたということです。
特に、この指標の構成要素である出荷(=売上)に頭打ちの傾向が鮮明になってきたのが気になるところです。
その影響もあってか、在庫が積み上がり傾向です。来月は前年同月比でプラスに転じそうですから、在庫増加が話題になると見られます。
全製造業の中の、コンピュータ及びその周辺機器の在庫循環モメンタムを、ハイテクの影響の大きいナスダックと比較すると、連動性の高さが見てとれます。
もちろん、全製造業在庫循環モメンタムとダウ平均株価との連動性も高く、両者が頭打ちに転じてきた様子が確認できます。
もう少し長い目で在庫循環モメンタムの動きを追うと、リーマンショックを発端とする今回の経済変動のマグニチュードは、第1次石油危機や第2次石油危機と同程度と見られます。
個人的な印象としては、第2次オイルショックの時よりも多少小さいような気がします。気のせいでしょうが・・・
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