ポイント
今日の日経平均株価の展開は、朝方に想定していたものとはほとんど逆でした。円が人民元に「つれ高」どころが、対ユーロ、対ドルともに円安に振れ、マーケットを押し上げたと見ています。
今日のマーケット動向
114円高で寄り付いた日経平均株価は、後場に一段と堅調さを増して、242.99円、2.43%の大幅高で終えました。
人民元の弾力化で、つれ高が懸念されていた為替が、株式市場の開始前に急速に円安に振れたことが、寄り付き価格を押し上げたと見ています。
ザラバでも、円高どころか円安への振れがマーケットを牽引しました。特にユーロに対して円安が鮮明でした。
後場に入り、上海市場が空運など人民元高メリットセクターや、不動産なぢの内需関連に牽引されて好調に推移していることが好感されて、日経平均株価が一段高となりました。
GLOBEXで、ダウ(+146ドル)、ナスダック(+27.5ポイント)がともに大幅高となっていることも、後場の好調な動きに貢献したようです。
コメント
円高⇔株安という構図に目が慣れてしまっているせいか、人民元高⇔株高という動きに意外感がありました。スポットでは人民元高でしたが、基準値が変更されなかったことで、急激な人民元高は避けられるという安心感も作用したと推測しています。
一方で、日経平均株価は円安を好感するといういつもの構図であったように思います。円の「つれ高」を懸念していたところが、予想に反して円安に大きく振れたため、マーケットへのインパクトが大きかったようです。
そうであるならば、明日以降の日経平均株価の動向を読む上で、一段の円安が持続するかどうかが重要なポイントになると思います。
答えが簡単に出てくれば苦労はないのですが、少なくとも懸念していた円高の懸念は弱まったと見ることができると思います。
アジア、欧州の全面的な株高を受けて、おそらく今日のシカゴ・オプション取引所のVIX指数も低下して、投資家のリスク許容度の高まりを示すでしょうから、低金利国通貨である円が積極的に買われるような局面にはならないだろうと考えます。
となれば、今日のような大幅な円安のペースが続く可能性は低いとしても、円高に振れるリスクは限定されそうです。
リスクは相変わらず欧州の財政問題ということになります。現在の堅調な欧州市場を見る限り、当面は心配なさそうですが、油断は禁物です。
したがって、欧州の財政問題に重大な展開がないかぎり、ユーロ円は円安方向への基調が続き、それとの連動性の高い日経平均株価も、今日の大幅高の一時的な反動は別として、堅調な動きが期待できそうだということになります。
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