最近は為替の動きが気になっているため、「為替と株価」というタイトルを何度か使っているような気がします。紛らわしくて申し訳ありません。
明日は、人民元の弾力化に伴う「ついでの円高」になりそうな様子ですが、ドル円と日経平均株価の関係を確認しておきたいと思います。
「円高⇔株安」という構図が多分に不安感を掻き立たせそうな気配なのですが、これまでの動きを見ていると、必ずしもそういうわけではなさそうです。次の図をご覧ください。
一見して明らかな通り、現在のように「円高⇔株安」の時期もありますが、「円高⇔株高」の時期もあるのです。
どういう時期に「円高⇔株高」となるのでしょうか?
大きく見て2つの場合があるようです。
(1)内需主導型経済が堅調に進展している場合 データの関係で図にはありませんが、日本の資産バブルに向けて進んだ時期はこのような状況でした。85年9月のドル高阻止のためのプラザ合意以降、急速な円高にもかかわらず株価は急騰しました。
(2)経済の状況が悪く、通貨の対する信頼性も揺らいでいる場合 金融システム不安の時の日本がそうでした。円が高くなることが投資家の安心感となり株価が上昇する傾向がありました。現在、ユーロ高が欧州諸国も含めて世界中で歓迎されているのも同様な理由であるような気がします。
というわけで、全く対照的な2つの要因があると考えています。
そうであるならば、もし中国が上海万博を引き金に、消費を中心とする内需型経済にシフトしていくことができれば、人民元高を株高要因にすることができると思います。
この内需型経済への移行の必要性は、日本の方が高いかもしれません。国内経済が元気がないことが外需依存度を高め、為替と株価の連動性の高さを生み出しています。
適切な経済政策を遂行する能力を持った政治的なリーダーシップと、アジアの成長に参加できる優れた外交能力が求められる時代なのですが、その辺は何とも・・・・・
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