ポイント
高騰した米国株式市場を受けて、日経平均株価も高い寄り付きとなりそうです。対ユーロで円安が進んでいることから、堅調なザラバを期待しています。ただし、米国株式市場の上昇もユーロ高も、基調の転換を示す力強いシグナルというわけではないのが気になります。9,695円を寄り付きのメドとしていますが、それ以上でスタートするようであれば、ザラバで意外に軟調な局面もあるかもしれないと考えています。
米国マーケットの動向
スタート直後から急速に上げ幅を拡大したダウ平均株価は、好調さを維持したまま、273.28ドル、2.76%の大幅高で終了しました。(「米国株式市場、大幅高でスタート」)
対ユーロでドル安が進んだことがマーケットを底上げしました。
加えて、BPのADRが10.03%と急騰したことが、資源エネルギー株の上昇を誘発して、マーケットの上昇を牽引したと見ています。シェブロンは4.77%上げています。
週間ベースの新規失業保険申請件数は、コンセンサスよりも多少多かったのですが、マーケットは特に気にした様子が見られませんでした。
このように好調なマーケットだったのですが、この強さが基調の転換を示すようなものではなさそうだという点には注意が必要だと考えています。
まず、ユーロ高。ECBのトリシェ総裁が、政策金利の維持と国債購入の継続を表明したことがきっかけと見られています。マーケットの安心感は誘いましたが、財政問題が改善したわけではありません。
次にBPの株価。前日に急落した反動という性格が鮮明です。英国のキャメロン首相がBPに対する支援を示唆したことも影響したと見られます。つまり、原油流出事故問題が解決したわけではありません。
したがって、米国株式市場の大幅高は、基調の重要な転換を示すようなものではなく、これまでの下落の反動という性格が強いと考えています。
VIX指数は9.37%と大幅に低下して、投資家のリスク許容度が高まったことを示唆しているのですが、ザラバの動きをみると、必ずしも投資家の心理が一直線に回復したわけではないことを示していますので、注意が必要だと考えています。
今日の日経平均株価は?
米国株式市場の急騰を受けて、CMEの日経平均先物価格(円ベース)が9,696円となっています。これを日経平均株価の寄り付きのメドとしています。
ザラバは、ユーロ高円安の持続を前提として、堅調な動きを期待しています。
したがって、もしユーロ円の動きに変化があれば、マーケットに大きく影響しますので、目を離せそうもありません。
今日はSQです。ザラバでは、中国の物価指数や工業生産の数字に注目したいところです。加えて、サイボウズ、丹青社など38社の決算発表が予定されています。
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