ポイント
米国株式市場の下落にもかかわらず、上昇してのスタートはある程度予想していたのですが、ザラバの基調の強さは想定以上でした。対ユーロで円安に大きく振れたことがマーケットを押し上げたと見ています。明日も為替の動きから目が離せませんが、正直なところ、ユーロの強さの持続性に関してはいささか疑問を持っています。したがって、明日の日経平均株価に対しては、多少警戒的に臨みたいと考えています。
今日のマーケット動向
37円高で寄り付いた日経平均株価は、1時間ほどの間停滞していたのですが、その後は上昇基調に転じ、103.52円、0.40%高で大引けを迎えています。
スタート直後の動きを見る限り、1-3月のGDP改定値がコンセンサスを上回ったことなどの影響は見られませんでした。
10時過ぎから大引けまでマーケットの上昇を支えたのは、ユーロ円であったと見ています。ユーロの強さが想定を大きく上回りました。
ユーロ高、円安への大きな振れに押し上げられて、ハイテク株、非鉄株など円安メリット・セクターの好調な値動きが目立ちました。6.23%の急騰となったファナックは、1社で日経平均株価を24円ほど引き上げました。今日のマーケットの上げ幅の23%強に達します。
アジア市場は上海とインドネシアを除いて上昇しています。台湾、シンガポール、インドが1%を上回って上げました。
欧州市場もアジア市場と似た展開です。ノルウェーを除いて上げ基調です。フランス、スウェーデン、オーストリア、イタリアが1%以上の上昇率を見せています。
アジアや欧州の堅調な動きに支えられて、GLOBEXでは、ダウ(+77ドル)、ナスダック(+13.50ポイント)ともに好調な推移です。
今日は、週間ベースの新規失業保険申請件数、4月の貿易統計、5月の月次財政収支など、比較的に気になる経済指標が続きます。
明日のマーケットの見通し
米株先物の堅調な推移から見て、明日の日経平均株価は高めの寄り付きが期待できそうだと思っています。
ただし、ザラバが今日と同様に堅調に推移するかどうかは不透明だろうと考えます。
理由は堅調なザラバを牽引したユーロ円にあります。今日のユーロの強さが、欧州の財政問題の目立った改善によるものというよりは、単にECB(欧州中央銀行)理事会を前に、ユーロ売りを一旦手じまった動きの反映に過ぎないのではないかと見るためです。ユーロ売りの持ち高調整をするためのユーロ買いというわけです。
些細な良いニュースでも大きく上下するユーロですから、あまり懐疑的に見るのもリスクが大きいのですが、今日の日経平均株価を押し上げたようなユーロの強さの持続性には疑問を持っています。
現在、欧州の株式市場は堅調な推移ですが、決してユーロの強さを裏付けるほどの堅調さを見せているわけではないことに注意する必要があると考えています。
というわけで、明日の日経平均株価については多少警戒的なスタンスで臨みたいと思います。
明日はSQです。ザラバでは、中国の物価指数や工業生産の数字に注目したいところです。加えて、サイボウズ、丹青社など38社の決算発表が予定されています。
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