4月の鉱工業生産動向を出荷在庫バランスで見る(その3)

スケアクロウさん
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 それでは、出荷在庫バランスと似た指標で在庫循環モメンタムを見てみましょう。在庫循環モメンタムは、数量ベースではなく金額ベースの出荷や在庫を使って作成したものです。ほぼ同じように見えるのですが、ピークアウトが多少鮮明です。理由は、金額ベースにする際に用いている価格データにあります。出荷(産出)価格に比べて、原材料(投入)価格の上昇率が高いためです。在庫金額は原材料価格を用いるために、上昇率が高くなることが理由です。

 

 この鉱工業在庫循環モメンタムは、日経平均株価と比較的に良く連動しす。

 となると、気になるのは今後の在庫循環モメンタムの動きです。直近である4月の出荷や在庫の数量と価格がそのままで推移するという前提で、今後の動きをシミュレーションすると、このようになります。これから下落局面に入ることが鮮明ですが、循環の性質を考えれば当然のことだろうと思います。



 ということは、景気循環と株価の連動性から考えて、今年の後半は要注意ということになります。

 ところが、欧州の財政不安など循環要因ではない出来事で株価が大きく下落しました。これをどう考えるかについては、(その4)で考えてみたいと思います。

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