鉱工業全体の出荷在庫バランスを5つのサブカテゴリーに分けて検討してみます。
まず、自動車を中心とする耐久消費財。頭打ちがはっきりしてきました。細い実線で示した出荷の勢いに変化が出てきたのが気懸りです。
次に、衣料品、食料品などの非耐久消費財。消費がモタついていることもあって、在庫が積み上がり気味です。出荷在庫バランスは僅かに低下しました。ただし、変化の幅は大きなものではありません。ディフェンシブな特性を示唆しています。
機械を中心とする資本財。全体の中でもっとも力強い上昇を見せています。出荷が好調なため、在庫の伸びが抑えられています。
輸送用機器を除く資本財。基調は資本財と同じです。「今日のマーケット動向と明日の見通し 5月31日」の中で、ツガミが5%を越える急騰を見せた理由として、4月の鉱工業生産動向を挙げましたが、それはこれを指しています。
鉄鋼電炉、セメント、ガラスなどの建設財。4月は僅かに低下しましたが、出荷の基調はまずまずの状況ですし、低下の幅も限定的ですから、大きな心配はないようです。
最後に生産財。耐久消費財とともにピークアウトが鮮明になってきました。この分野は、半導体などの電子部品、鉄鋼高炉、化学製品などの幅広い分野が含まれます。鉱工業全体の出荷在庫バランスを、耐久消費財とともに牽引してきた重要な分野であるだけに、非常に気になる動きです。
以上のサブカテゴリーを検討すると、月を追って頭打ちの傾向を見せる分野が増えています。ということは、鉱工業全体のピークアウトの動きも、月を追って鮮明になっていくものと推測されます。
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