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スペイン下院が財政緊縮法案を僅差で可決、政権不安高まる
5月27日、スペイン下院が財政緊縮法案を1票の僅差で可決。写真はサパテロ首相。マドリードで撮影(2010年 ロイター) [拡大]
【マドリード 27日 ロイター】 スペイン下院は27日、150億ユーロ(184億ドル)規模の財政緊縮法案を賛成169、反対168のわずか1票差で可決した。
可否を分ける動きとして注目された地方政党カタルーニャ同盟(CIU)の議員10人は、スペインがギリシャのような危機に陥ることを望まないとして同法案を批判した上で、投票を棄権した。野党国民党が反対票を投じるなか、CIUの棄権により与党は可決に必要な票を確保した。しかしCIUは、2011年予算案に賛成しない方針を示しており、サパテロ首相が今後も危機克服に向けた舵取りを続けられるかどうか疑問視する声が強まっている。CIU党首は議会で首相に対し「問題は首相および現政権にある」と述べ、2011年の総選挙の早期実施を求めた。
労働市場改革で労働組合や経済界との合意期限を5月末に控え、サパテロ首相は27日、予定されていたブラジル訪問を取りやめた。
労組側は27日、労働市場改革で雇用者側とまだ大きな意見の隔たりがあるとし、労組側の合意なしに改革を進めれば全国ストを実施すると警告した。6月1日にはブリュッセルで欧州全域の労組による会合が予定されており、政府が設定した5月末までの合意は難しいとしている。
財政緊縮法では、公務員給与を今年5%削減する。財政赤字を国内総生産(GDP)比で今年9.3%に引き下げ、11年には6%に引き下げることを目指す。法案が可決されたのは朗報だが、これで市場が納得するわけではないとの指摘もある。
アナリストはスペインの硬直的な労働法の改正や雇用規制の緩和が、競争力を高めるのに不可欠とみている。BNPパリバのアナリストは「長期的に経済成長を促進するために労働市場改革は重要だ。成長こそが財政状況の改善につながる」と述べた。
2010/05/28 8:33
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