ギリシャ神話に登場するイカロスは父のダイダロスとともに閉じ込められた塔から脱出するために鳥の羽根で翼を作り、空へと飛んだ。周知の通りイカロスは父の注意を忘れて高く飛びすぎたため太陽に近づき翼が壊れて墜落する。
この顛末を顧慮するとこの名前がいいのか悪いのかわからなくなるが、先日H2A17号機により打ち上げられた「イカロス」はユニークな推進装置を備えている。
強力ではないがエンジンも燃料も使わずただ太陽の光を受け止める「帆」を広げ宇宙を進む宇宙ヨットである。半年かけて秒速100メートルまで加速するそうです。
複雑なエンジンや危険な燃料を搭載する必要はなく、帆を広げるだけなので安全性や生産性に秀でている。太陽光を利用しているので一恒星系内でしか移動することはできないと思うが、将来の惑星間宇宙飛行の主役は宇宙ヨットかもしれません。