アメリカ市場が週足の底すら破る事態、年内追加利下げの話がまた浮上してきた。
以前僕が「能天気祭り」と題した、0.5利下げ前後の完全な強気買い相場があった。その後も、「追加利下げフェスティバル」が催されたが、「祭りの後」というものは、町は打って変わって閑散とし、所々にゴミが散乱して後片付けをせねばならない「ああ、もう夏も終わりか」という寂しい気分が襲ってくる。利下げ後の状況がまさにそうだ。
「追加利下げ」が最後のカードだったにも関わらず、追加利下げ直後に、メリルリンチ損失隠し、シティ追加損失計上などのネガティブニュースが発表された。あれが、追加利下げ前だったら、下げ傾向は変わらないにせよ、ダウのチャート形はもう少し上にあったに違いない。全く最悪のタイミングだ。
今市場がデリケートに反応をしているのが「ドル安」と「原油高騰」だ。以前の利下げ祭りには、この二つは織り込まれていなかった。経済の専門家にすればこの二つは予測済みの話だが、市場は「今がよきゃいいじゃん」でお祭りを開催した。だが、実際に利下げが行われ、ドル安と原油高が進行してみると、さすがに米市場も「利下げってやばいんじゃないの」ということが理解出来たろう。お祭りの参加者は減り、祇園祭規模から自治会の盆踊りくらいの参加者になると思われる。日本人も「円高ドル安が進むじゃん」で、以前ほど乗り気にはなるまい。さらなる日経の下落におびえることとなる。
そして、利下げ実施によりドル安、原油高はさらに進行。下落傾向に拍車がかかる可能性が高い。
利下げがほぼ確定した状況で、為替が動かなかったら要注意。追加利下げの時がそれで、利下げ実施が確定的なのにも関わらず、一瞬円安方向に振れて止まった。利下げ実施後もしばらく円高に振れなかった。「おかしいな」と思ったが、SQ前から一気のドル売り崩し&日本株つぶしが来た。力を溜め込んでいたのだ。利下げ前後に円高に振れなかった場合、「不自然」と判断して警戒すべし。
底値打ち判断はまだ早い。
次の売り場は「原油100ドル突破」だ。