ポイント
米国株式市場の下落のために、低い寄り付きは避けられないとしても、ユーロの回復という下支えで、ザラバは意外に底堅い動きを期待していました。ところがマーケットの開始前からユーロが軟調に転じ、後場には急速に下げことが、投資家心理を冷却したと見ています。欧州の財政問題というより、「ユーロ危機」の歯止めとなる決定打が見当たらない局面では、日経平均株価に対しても警戒態勢が欠かせないようです。
今日のマーケット動向
64円安で寄り付いた日経平均株価は、堅調な動きを見せ、30分ほどで下げ幅を25円まで縮めました。しかし、その後は一転して、軟調気味になり、午後になると調整色が強まり、156.53円、1.54%の大幅安で終えました。
ダウ平均株価のザラバの堅調な動きを支えたユーロの回復でしたが、日本のマーケットの開始前から突然基調が変わってしまいました。しかも後場に入ると、ユーロは一段安の様相を呈しました。
ドル円は比較的に安定した動きを見せていたのですが、やはり、後場の後半になって、ユーロに連動するように、ドル安に振れました。60分足でみると下図のような動きでした。
加えて、中国人民銀行による中銀手形の発行で、金融引き締め懸念から1.2%下落した上海市場の影響もあったと見られますが、午前中には上昇局面もありましたので、日本市場への影響は限定的であったようです。
アジア市場はインドを除き下げています。上海の他、韓国(-1.8%)、台湾(-1.6%)の弱さが目立ちます。朝鮮半島をめぐる地政学リスクが意識されたこともあるのかもしれません。
欧州市場は上昇して始まったのですが、下げに転じてきました。オーストリアとイタリアを除いて下落しています。ドイツがノルウェーとともに1%を越える下げとなっているのが気になります。
この欧州市場の動きを映して、GLOBEXでは、ダウ(-49ドル)、ナスダック(-13.75ポイント)ともに下げています。下げ幅は急速に広がっています。
今日は、週間ベースの新規失業保険申請件数、4月の景気先行指数、5月のフィラデルフィア連銀景況指数と経済指標の発表が続きます。決算では、引け後に発表されるデルに注目が集まっているようです。
明日のマーケット見通し
今日の大引け後に回復に転じたユーロですが、再び弱くなっています。5分足でみると、このような動きです。
ユーロ安が、南欧諸国の財政問題という範囲を越えて、「ユーロ危機」の様相が鮮明になる中で、歯止めとなる決定打が見えないため、為替に大きく振られる状況の続く日経平均株価の今後の動きも警戒を怠れないようです。
CMEの日経平均先物価格(円ベース)は現在10,020円で推移しています。
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