TIW藤根 靖晃さんのブログ

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【三越伊勢丹ホールディングス】業績回復の足取りは鈍い

業績回復の足取りは鈍い
<株価は軟調に推移しよう>
同社は抜本的な構造改革に取り組んでおり、10/3期は三越の人員削減に伴う特別損失の発生などで巨額の最終赤字を計上した。それにも拘わらず、11/3期は売上・営業利益ともに若干の回復に止まる見通し。縮小傾向にあるとは言え、百貨店売上の前年割れが続く状況下においては、改革の成果が見えづらくなっている。業績の本格回復は早くて12/3期、消費全般の回復が遅れる場合は、それ以降にずれ込む可能性が高い。TIWでは、このような業績回復の遅れを嫌気するかたちで、しばらくは軟調な株価推移が続くと予想する。実績PBR(10年3月末)も1倍近い水準にあり、もはや株価下支え要因にはならないと考える。
<10/3期は635億円の最終赤字を計上>
10/3期は、高額品や婦人服などの苦戦が続き、売上高1兆2,916億円(前期比9%減)、営業利益41億円(同79%減)となった。子会社別の売上高前年比は、伊勢丹が91.4%、三越が83.2%といずれも前年実績を大きく下回り、コスト削減に注力したものの、減収分を吸収できなかった。最終損益は、構造改革費用(三越の早期退職費用)と三越名古屋栄店など8店舗の減損損失を計上したことにより、635億円の赤字を余儀なくされた。
<11/3期も若干の営業増益に止まろう>
トップラインの回復が期待できないため、11/3期の営業利益は増益ながら、実額ではわずかの増加に止まる公算。なお4月の既存店売上高(速報)は、天候不順もあり、伊勢丹91.8%、三越86.5%と厳しかった。リスク要因は、消費不況の長期化、三越の人員減に伴う営業力の低下、など。(西村 尚純)
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コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
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