今週は「愛鳥週間(バードウィーク)」で、今の時期は
様々な鳥の鳴き声を聞くことができます
ウグイスはのどかな声を響かせ、「日晴(ひはる)」が由
来のヒバリはさえずりながら天高く舞い上がり、「目白押
し」の例えのように身を寄せ合って樹上にとまるメジロな
どなど。時おり聞こえる野鳥の声は、季節を一層すがすが
しく感じさせます
初夏に渡来し鳴き始めるホトトギスは日本三鳴鳥の一つ
で(他はコマドリとオオルリ)、キョキョキョと鋭く鳴き
ます。この鳥は別名が多いことでも知られ、文目鳥(あや
めどり)、妹背鳥(いもせどり)、黄昏鳥(たそがれどり)
、子規(しき)、不如帰(ふじょき)、杜鵑(とけん)等
々、霍公鳥や不如帰などはそのまま「ホトトギス」と読み
ます
ホトトギスの鳴き声は「特許許可局」とも聞こえますが、
昔の人には「田を作らば早くつくれ、時過ぎぬれば実らず」
と聞こえたようで、田植えの時期を教えてくれる鳥でもあり
ました。時鳥あるいは時つ鳥、早苗鳥などもホトギスの異称
です。冥土に往来する鳥ともいわれ、魂迎鳥(たまむかえど
り)等の名もあり、古代中国の蜀の望帝の魂が化してこの鳥
になったという伝説もあります
ホトトギスは万葉集で最も多く詠まれた鳥でもあり、ウグ
イスを詠んだ歌のおよそ3倍、150首以上の歌に詠まれて
います。
カッコー(郭公)はホトトギスによく似た鳥で、どちらも
同じカッコー科に属し、託卵の習性や灰色の体に黒い横斑模
様も同じなのですが、鳴き声が違い、カッコーの鳴き声から
は閑古鳥の字も当てられました。
カッコーは賑やかな街中には寄り付かず、鳴き声にはどこ
か寂しさが漂います。閑という字と相まって、人が集まらな
くて閑散としている様を「閑古鳥が鳴く」というようになっ
たそうです