日経ヴェリタスにウォーレン・バフェットが日本株投資を真剣に検討している、という記事が出ていました。日本株は外人買いが先行する、というパターンがこれまでありましたが、バフェットが好きそうな日本株に注目しておくのは得策でしょう。いろいろな銘柄が出てくると思いますが、バフェットの投資原則をおさらいしたうえで、自分なりの銘柄をリストアップしてみるのもいいでしょう。
バフェットの投資はバリュー株中心もしくはGACP(Growth at Cheap Price:CPをReasonable Priceに置き換えたGARPという言い方を変形したものです)ということになると思います。「いまさら入門バフェット」(三原淳雄著、講談社+α文庫)によれば、銘柄選択のポイントは、①シンプルでわかりやすい事業か否か、②安定した利益を上げている会社か否か、③将来の見通しが明るい会社か否か(競争上の比較優位性を持っているか否か)、④経営者は合理的な考え方をしているか否か(利益の配分の仕方が適切か否か)、⑤経営者は株主に対して誠実に接しているか否か、⑥経営者は横並びの慣例に抵抗できるか否か、という6つということだそうです。
①~②の基準に従えば、ROEが安定的に高い企業、しかも、その高さの源泉が売上高営業利益率の高さにあること、という基準に落ち着くのでないでしょうか。③はその会社が対象としている市場の安定性と将来性と競争状況の見通し、ということでしょう。①~③に関しては、インターネットでかなりの情報収集が可能となると思います。
しかし、問題は④~⑥の基準です。これらは経営者の見分け方に関わるものです。株主総会に出席して、経営者の言動・しぐさを生で見ることは重要ですが、見るときのポイントは何か、というのは非常に難しいことです。この経営者なら、という判断どうすればよいのか。いろいろな視点があると思いますが、一つの視点は、その経営者は失敗をした経験を持っているか否か、そして、そうした失敗を乗り越え、独自の戦略を打ち出す胆力をもっているか否か、ということだと思います。アップルのスティーブ・ジョブズはその典型でしょう。
日立の中西社長は一度は社長レースに敗れた人と言われているようですが、HGSTの再建を進めました。その点でも、日立に注目したいと思います。
経営者のことはよくわからないのですが、ピジョンもバフェット好みの銘柄ではないでしょうか。
ギリシャ問題の後は、ポルトガルとスペインの問題がありますので、欧州のごたごたは長引きそうです。上海万博のインパクトが消える局面で相場は軟調になるのではないかと思います。相場軟調のときこそが絶好のバフェット型投資ということになるでしょう。バフェット型投資に即した銘柄スクリーニングを3月決算が出そろったところでやる価値がありそうです。