<クレストールの海外売上がポイント>
高脂血症治療剤(コレステロール降下剤)クレストールのロイヤルティ収入が営業利益の大半を占める収益構造となっているためアストラゼネカによる同剤の海外売上がポイントである。この度北米において同剤の心疾患予防への適応が承認されたので高水準の売上は未だ持続すると考える。株価は年初から冴えない動きだが近く回復トレンドへ向かうと予想する。リスク要因は競合薬剤の後発品発売と為替。
<10/3期大幅増益の主要因はロイヤルティ収入の拡大>
10/3期は前期比22.4%増収、63.8%営業増益となった。増収(509億円)の主要因はロイヤルティ収入の増加(202億円)、08年に買収したシオノギファーマ(旧サイエル社)の通期寄与(294億円)、抗菌剤ドリペネムの輸出(17億円)によるもので医療用医薬品は微減(-7億円)に終わった。営業増益(204億円)の主要因はロイヤルティ収入の拡大(202億円)にありシオノギファーマは特許料の償却等を勘案すると利益への寄与はなかった。
<11/3期会社予想PERに割安感>
株価は、上記のリスク要因はあるものの、(1)クレストール(国内)や抗うつ剤サインバルタなどの新製品がある程度カバーする、(2)一時不調であったシオノギファーマが回復途上にある、(3)抗肥満薬、抗HIV薬などの開発パイプラインを持つ、(4)バリュエーションにおいて11/3期会社予想PERはやや割安感があるなどから、現水準からの反転を予想する。
(森田 青平)
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