ポイント
欧米の株式市場が急騰したことを背景に、高めに寄り付いた日経平均株価ですが、後場に大きく値を崩しました。ユーロ安、円高への動きが重石になったと見ています。米株先物が軟調に推移しているため、明日も警戒が必要なようです。
日経平均株価の動向
欧州の財政不安が後退したことを受けて、ダウ平均株価が400ドルを上回る大幅な上昇となりました。CMEの日経平均先物価格(円ベース)が10,740円をつけていたために、寄り付きは200円高程度になると見ていたのですが、それを大幅に下回る10,653円での不安なスタートでした。
ザラバでは軟調な局面もあるだろうと見ていたのですが(「今日の日経平均株価は? 5月11日」)、後場に入ってからの値崩れは予想を大きく上回りました。
最大の要因は為替であると思われます。ユーロ安、円高の動きが続きました。円高が欧州向けの比重が高い企業の業績にダメージを与えるだけではなく、ユーロの弱さが、欧州の一連の政策に対する信頼感を揺るがせたということだろうと考えています。
ドル円の動きもユーロ円に比べればマイルドでしたが、やはりドル安円高方向へ動いておます。
医薬などのディフェンシブなセクターの堅調さが、マーケット・センチメントの悪化を示唆しています。倉庫運輸関連や小売りなどの内需関連も上昇しましたが、円高に対する反応という側面もありそうです。
主要経済指標が強かったことから、金融引き締め強化に対する懸念で、上海市場が下落したことも影響したと見ていますが、上海の本格的な下げも午後に入ってからでしたから、時間差を考えると、インパクトは限定的だったようです。
みずほFGのファイナンスが伝えられ株価が4.7%と大きく下落した影響は、比較的に大きかったと見ています。
アジア市場は上海(-1.9%)を始めとして、香港、インドネシア、インドが1%を上回って下げました。日本市場だけが、国内の独自要因で下げたというわけではないようです。
欧州も前日の急騰の反動からおおむね下げていますが、気になるのはスペインが5.7%と急落していること。ギリシャも2.4%下げています。
このような展開を背景に、GLOBEXではダウ(-94ドル)、ナスダック(-17.50ポイント)と大幅に下げて推移しています。下落幅は拡大の方向です。
今日は、3月の卸売在庫統計が出てきます。決算はウォルト・ディズニーに注目が集まっているようですが発表は大引け後です。
明日のマーケットの見通し
これから始まる米国株式市場の基調が弱そうなため、明日の日経平均株価の重石になりそうです。
ただし、今日の午後にかなり大きな調整を見せたことから、明日は比較的に小幅な動きになると見ています。
ただし、ユーロ安の動きが止まらなければ、マーケットの不安がおさまらない可能性があります。為替の動きに警戒が必要だと思います。
経済指標は、3月の景気動向指数の速報値。決算は、国際石油開発帝石、武田薬品工業、日産自動車など280社近くが予定されています。
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