原子力発電所の「もんじゅ」が運転を再開しました。1年後に発電開始ということです。TVでは、安全を最優先するという条件つきで仕方ないという意見や、やはり不安なので反対といった意見が紹介されていました。
日本の今後を考えると、原子力発電の比重を上げていく必要があると思います。原子力発電によって、日本のエネルギー自給率は飛躍的に高まります。電気自動車の普及はさらに日本のエネルギー自給率を高めることになります。
問題は原子力発電をいかに拡大していくか、ということでしょう。もんじゅの再開で文部科学副大臣の「世界に先駆けて新しい核燃料サイクルをつくりあげていく」というコメントが新聞では報道されていましたが、本来は、もっと大きな視野に立って、原子力発電を捉える必要があるのではないでしょうか。もんじゅ再開に伴い、福井県敦賀市を電気自動車システム推進特別地区として認定し、希望世帯に1台ずつ電気自動車を貸与し、様々な電気自動車社会インフラの実験を行ってみることを、原子力発電の再開を契機にして始めてみる、といったことが発表されてもよいうのではないでしょうか。子供手当てに多額の資金を使うよりは、こうした新規社会インフラ建設に先行的投資を行う方が望ましいのではないでしょうか。
同じ発想で、基地問題をもう少し柔軟に考えることもできるのではないでしょうか。たとえば、基地の滑走路の一部民間利用や、基地に隣接する形で物流拠点整備や工場や開発拠点として利用する場合の特別税制地区としての認定など、基地があることに伴うコストを上回る便益を提供する工夫をしてもよいのではないでしょうか。地域住民への補償では子育て給付金と同じなのではないでしょうか。
いずれにしても、日本再生の鍵の一つは、地域地域の特性を活かして多様なな新しい社会インフラを構築していくことにあるのではないでしょうか。日本の既存社会システムをいかにして海外の新興国に輸出できるか、といった発想を否定はしませんが、それだけでは不十分だと思います。IBMが社会インフラのムダをなくすという価値を世界に向けて訴求していくのだ、といい始めています。しかし、この種の競争を制するか否かは、母国においてあるいは世界の資本市場を活用して先端的社会インフラのための建設資金を誰がどのような形でファイナンスできるか、に大きく左右されるものと思われます。
新社会インフラ構築はまさに日立や東芝が標榜していることです。東芝の株価は若干高めに推移していますので、日立が投資対象としては面白いのではないかと思います。2011年3月期には黒字化するものと予想されています。これまで収益低迷が続いていおたため、日立の株価形成はPBR主体でした。しかし、増資を行い、社会インフラ戦略の魅力と日立の戦略遂行力の高さが評価され、PER主体の株価形成になってくるのではないでしょうか。PBR主体では株価のアップサイドには限界がありますので、PERへのシフトは株価形成の天井を高めることになると思います。
400円を割れたところですので、少しずつ買っていくことを検討してもよいのではないでしょうか。1年後500円、1年半後600円といった水準が目標株価です(ここのポイントは一応、Picksに書いておこうと思います)。