ポイント
後場には多少持ち直しの兆しを見せた日経平均株価ですが、大幅な続落で終えています。米株先物が反発の動きを見せるなど、多少明るいシグナルもあるようですが、震源である欧州の財政問題は依然として不透明な状態ですから、警戒態勢を緩めるわけにはいかないようです。ただし、欧州問題に対して、国際的な支援体制が構築されるような展開になると、株式市場が予想外の反発を見せる可能性もありますので、目は離せないようです。
今日のマーケット動向
米国株式市場の大幅下落を背景に、222円安で寄り付いた日経平均株価は、ほんの15分程度の間に下げ幅を438円まで拡大しました。後場に入ると僅かに持ち直しの兆しが見えたのですが、それも長続きせず、331.10円、3.1%安で大引けとなりました。
欧州の財政問題を懸念した米国株式市場の下げと、急激な円高への振れの相乗効果が、マーケットに深刻な影響をもたらしました。
後場に入ると、円安への揺り戻しが進んだことや、ガイトナー財務長官がG7とギリシャ問題に関する電話協議をすることが伝えられたことなどから、マーケットは反発の気配を見せました。
しかし、その反発は限定的で、すぐに再び反落に向かったことが、マーケットの不安感がきわめて強いものであることを鮮明に示したと見ています。
アジア市場はマレーシアを除いて下げています。インドネシア(-2.54%)、韓国(-2.21%)などの下げの大きさが目立ちます。上海も1.87%下落しています。ただし、上海のザラバの動きを見ると、午前中は不動産セクターの反発などから、マーケットが下げ幅を急速に縮める局面が見られたこともあって、日経平均株価に対するダメージは小さかったようです。
欧州市場はイタリアを除いて下落基調です。フランス、ベルギー、オランダが2%を越えて下げています。イタリアの上昇は前日の急落の反動に過ぎないようです。ポルトガル(-1.05%)やギリシャ(-1.08%)は今日も下げています。
GLOBEXでは、ダウ(+29ドル)、ナスダック(+5.25ポイント)ともに堅調ですが、上げ幅は縮小しています。
4月の非農業部門雇用者数が29万人と、予想の20万人を大きく上回る増加となったことがマーケットの下支えになりそうです。だたし、失業率は9.9%と、コンセンサスの9.8%を上回っています。
今日は、4月の雇用統計の他には、3月の消費者信用残高の発表が予定されています。決算はAIGに注目が集まっているようです。
来週の日経平均株価への示唆
GLOBEXのダウやナスダックの先物価格が上昇基調で推移しているのは好ましい展開なのですが、前日の急落の反動としては、極めて小さいと見ています。これから始まる米国マーケットの展開も予断を許さないようです。
したがって、来週の日経平均株価の動向についても、警戒的に見ておく必要がありそうです。
ただし、CMEの日経平均先物価格は10.425円となっていますので、現在のところ大きな心配はなさそうです。
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