読者様から次のようなご質問がありました。
「出荷在庫バランスの稿を大変興味深く拝見しました。ところでアメリカでは同様の視点で見るとどのようになっているのでしょうか? 向学のため教えていただけますと幸いです。」
景気指標として、出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた数字に注目しています。株価との連動性が見られるためです。
経済産業省のデータを用いて作成したものを「出荷在庫バランス」と呼んでいます。特徴は、指標を構成する出荷、在庫の数字が数量ベースであるということです。
米国の指標は、商務省の「出荷・在庫・受注統計」を使って作成します。この統計は「M3」(エムスリー)と呼ばれ、その一部である耐久財のデータが早めに発表され、株式市場に影響が見られます。これが「耐久財受注」です。特徴は、指標を構成する出荷・在庫の数字が金額ベースであることです。
基礎データが金額ベースであることから、この指標は「出荷在庫バランス」とは呼ばず、「在庫循環モメンタム」と名付けています。
そこで、米国との比較の必要性もあって、日本の出荷、在庫の数量データを、日銀の価格データとドッキングさせて、金額ベースにしたものを作成しています。日銀の価格データとして「製造業部門別投入・産出価格指数」を利用しています。「投入」は原材料調達コスト、「産出」が製品出荷価格です。
こうして作ったものが「鉱工業在庫循環モメンタム」です。
これらの指標は、毎月このブログでご紹介していますので、参考にしていただければと存じます。「人気ブログランキング」に参加しています。記事がお役に立ちましたら、下のバナーをワン・クリックお願いいたします。大きな励みになります。
本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN MONEY、MSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、サーチナ、外為どっとコム