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広告の進化系=PR「プラップジャパン(2449)」

プラップジャパン(2449)はPR会社の大手です。

業界で世界最大手の英WPPグループが約20%出資しています。

国内での序列は、業界トップが電通PR(非上場)、2位は共同PR(2436)、そして僅差で3位がプラップジャパンです。

PR会社とは何なのでしょうか?広告とPRの違いってご存知ですか?

私も全く知りませんでしたが、PRとはいわば「広告の進化系」なのだそうです。

広告というのは、商品やサービスの認知を高め、販売を促進するために、テレビ、新聞、WEBなどの広告媒体を通じて掲載あるいは流される「情報」そのものであるのに対し、PRはより広義であり、より積極的なプロモーションを意味するようです。

例えば、商品や企業の好感度をアップさせるために、メディアの広告枠を使うのではなく、例えば、新聞記事として、あるいはテレビドラマの中に巧みに商品を潜り込ませるとか、不祥事が発生した際のメディア対応、記者会見で好感を持たれるにはどうするとか、要するに広告そのものではなく、販促やイメージアップあるいは危機管理のための戦略・企画立案、コンサルタントなどを総合的に請け負うサービス業ということになります。

プラップジャパンの受託した仕事として有名なのは、2005年の小泉純一郎氏率いる郵政選挙で自民党のPR業務を担当したことでしょう。ただ安倍政権以降も引き続き担当しているかどうかは定かではありません。その他、六本木ヒルズの総合プロモーションやキシリトール、あざらしのタマちゃんにも関与しているそうです。

業績は、比較可能な唯一の同業である共同PRに対して相対的に安定的といえるでしょう。共同PRは08/12期、09/12期と2期連続で経常赤字となっていますが、当社は08/8期、09/9期連続減益ではあっても売上高経常利益率は09/8期実績で9.4%(過去最高は07/8期の12.7%)とかなり高い水準を維持しています。

直近の10/8期第2四半期決算は、売上高が会社計画18.8億円に対し実績19.9億円(前期比6.3%増)、経常利益は同計画1.16億円に対し実績2.26億円(前期比144%増)といずれも計画を大幅に上回る着地となりました。

企業の広報予算の支出に対する慎重姿勢はなお続いていて、全般厳しい事業環境の中で、クライアント数、リテナー(定期)契約数、新規リテナー数はいずれも減少しましたが、新規のスポット案件が前期69件から今期84件に約20%増加しています。

案件としては、M&A関連コンサルティングが増加傾向で、経済紙1面を飾るような大型案件の受託もあったようです。

また、コンシューマー系の企業では、最近広告が効かなくなってきた、という声が大きくなりつつあり、より戦略的、能動的なPRに対する需要が高まりつつあるようです。

全般的に特に2Q以降、問い合わせ件数が増加傾向にあるとのこと。

10/8期通期の会社業績予想は、上期の大幅上ぶれ着地にも関わらず期初計画に据え置かれましたが、何か特別な要因があるわけではなく、「経済状況が依然不透明であるため」という「とりあえず」の据え置きのようです。

ただ、こういう業界は、1つの大型案件が決まるかどうかなどで容易に全体の収益が動く可能性があるため、スポット案件中心の業績上ぶれに対してはやはり慎重に見ておくべきものなのかもしれません。

株価バリュエーションは、今期会社計画に基づく予想PER 16倍。予想ROE 8.5%に対し予想PBR 1.3倍、予想配当利回り 2.6%です。

配当利回り面でやや妙味ありといった感じで、他は概ね妥当水準かなと思われます。

漠然と成長産業というイメージがありますが、それだけで株価を大きく押し上げるのは今の段階では難しいと思います。

とりあえず結果が大事で、第3四半期決算で好調継続が確認されれば株価の上昇余地は結構出てくるのではないでしょうか。
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