江戸時代の仮名草紙「薄雪物語」には「世の中は月に
叢雲(むらくも)花に風、思ふに別れ思はぬに添う」と
あり、その例えどおり先日の土曜日は関東地方では穏や
かな花見が出来たのではないでしょうか?

今日は生憎の雨模様で桜が散ってしまいますね。残念…。
 桜は日本を代表する花であり、日本人にとりましては
特別な存在の花です。そんな桜にまつわる言葉をいくつ
かご紹介したいとと思います。

 花時(はなどき)    桜の花が咲く時季
 桜狩(さくらがり)    花見
 花盛り(はなざかり)  満開の桜
 花影(はなかげ・かえい)水面などに映った桜花の影
 花明り(はなあかり)  夜、満開の桜のまわりが
               ほのかに明るく感じる様
 花衣(はなごろも)   花見に行く際の女性
                    の美しい着物 
 花疲れ(はなづかれ)  花見に行って疲れること
 花人(はなびと)    花見の人
 花守(はなもり)    花の番をしている人
 花篝(はなかがり)   夜桜を見るために花の下で
                炊かれる篝火「花雪洞」
 花筵(はなむしろ)   桜の花びらが一面に散り
                   敷いている様子
 花曇(はなぐもり)   桜の頃に多い曇天。花を
                養うとの意で「養花天」
 花の雨(はなのあめ)  花見の頃に降るあいにくの
                      雨「桜雨」
 花の風(はなのかぜ)  桜を散らしてしまう
                  恨めしい風「花嵐」
 花の雪(はなのゆき)  雪のように散る桜花
 零れ桜(こぼれざくら) 散る桜
 花筏(はないかだ)   水面に散った花びらが吹き
                 寄せられ流れていく様
 残花(ざんか)     散り残った桜花
 桜流し(さくらながし) 散った花びらが雨や水に
                    流れていく様子

 これらの言葉を見ただけでも、桜は日本人に愛されて
きたことが分かります。ちなみに「花吹雪」は、詩人谷
川俊太郎の尊父で哲学者の谷川徹三氏がかつて世界一美
しい言葉として激賞した言葉でもあります。

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